■親友・三っちゃんのために…

 コミックス第6巻では、遅れて登場した宮城リョータと花道によるケンカに巻き込まれ、殴られ失神までしてしまう可哀想な徳男。そんな噛ませ犬のようなキャラかと思いきや、三井がリョータを狙ってバスケ部に殴り込むシーンでは男気を見せる。

 三井、鉄男たちとともに体育館に乗り込んだ徳男。最初は優勢だったものの、流川が手を出したのをきっかけに部員たちの反撃に会い、さらに水戸洋平たちも加勢したことでボコボコに。三井は「この体育館には2度と来ないと言え」と迫られるが、引き下がることができなかった。そんな三井を見ていた徳男は違和感を覚えた。そして、ついに「三っちゃん本当は……バスケ部に戻りたいんじゃ……」と三井の本心を指摘する。

 そうこうしていると、教師たちが体育館の中に。体育館の惨状に「ただじゃすまさんぞ!」とケンカの責任を追求されるバスケ部員たち。大事な大会の出場停止処分が頭をよぎり、花道や流川はたじたじに。どうなるバスケ部!どうなる三井……!と思っていたらなんと……徳男が「オレたちがやりました」と、洋平たちとともに泥をかぶりにいったのだった。

 バスケ部を潰すために三井とともに体育館に来たが、本当はバスケ部に戻りたいという三井の気持ちを知り、彼らをかばった。そうして徳男は洋平軍団とともにバスケ部のために謹慎処分を受けることになった。

■はるばる広島まで向かう応援団長

 感動的なこのエピソードで徳男は舞台を去ると思いきや……、広島で行われたインターハイ初戦の豊玉高校戦で、なんと再び登場する。徳男は「炎の男 三っちゃん」と書かれた旗を持っていた――。男気を見せて三井を守った徳男はわざわざ広島まで応援に来ていたのだ。バスケ部とは縁もゆかりもなかったが、親友のためにわざわざ交通費をかけて応援に行く、その男気といったら! 

 その後、山王工業戦では「歴史に名を刻め~~~お前等!!」と叫ぶなど応援団長として湘北を支えた徳男。試合で活躍する三井に思わず涙し、桜木の努力までも認める徳男の姿を見ることができる。試合には参加しない脇役のひとりだが、その男気と友情の厚さに感情移入してしまう読者は多いのではないだろうか。その他にも、ちょこちょこと登場するので、暇があるときに応援している徳男の姿を探してみるのも楽しいだろう。

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