■自分の手でモンスターを生み出すワクワク感

ゲームボーイ版『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』プレイ画面より

 同じようにモンスターをコレクションしていく『ポケモン』と『テリーのワンダーランド』ですが、モンスター同士を配合することで「新たにモンスターを作ることができる」という点が本作の何よりの魅力です。

 オスとメスのモンスターを「配合」することで、血統によって新たなモンスターが生まれてきます。当時はネットも普及していなかったので、どのモンスターを配合すれば強いモンスターが生まれるのだろうかと、いろいろ試しながらワクワクしながら配合したものです。友だちから聞いた配合結果をノートに書き込み、帰宅後にさっそく試してみるのも日課となっていました。

 実はモンスターの配合結果は決まっており、組み合わせさえ知っていれば、意のままに欲しいモンスターを生み出すことはできるのです。たとえば『ドラゴンクエスト4 導かれし者たち』のラスボスである「デスピサロ」は、「デュラン」と「しんりゅう」の配合で誕生します。さらに「デュラン」は「ゴールデンゴーレム」と「ずしおうまる」を、「しんりゅう」は「スカイドラゴン」と「やまたのおろち」を配合して生み出します。

ゲームボーイ版『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』プレイ画面より

 こういった配合の組み合わせは、いまやインターネットで検索すればたくさん出てくるので、デスピサロを作るまでの行程は作業ゲー的になりがちですが、当時はワクワクしながらひとつひとつのモンスターを作ってました。


■最新作も待たれるドラクエの人気シリーズの原点

 1998年に『テリーのワンダーランド』から始まったドラクエモンスターズシリーズも、今では人気シリーズの一つとなっています。

 2001年には2作目となる『マルタのふしぎな鍵』が、さらに2003年にはゲームボーイアドバンス向けに、『ドラゴンクエスト7 エデンの戦士たち』のキャラクターであるキーファを主人公にした『キャラバンハート』が発売されました。2006年からはニンテンドーDS向けに『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー』シリーズも展開されました。 

 そう考えると『テリーのワンダーランド』の存在は、非常に大きなものと言えそうです。

 最近は『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D』『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド RETRO』といったリメイク作や移植作が中心となっています。最新作は3DS版『ドラクエ11』のプロデューサーを務めた横田賢人氏のもと制作が進められているそうですが、発売時期などは不明。そろそろ完全新作も楽しみにしたいところです!

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