ガンダム作品で「母親が迎えた壮絶な最期」2選、アニメ史に残る『機動戦士Vガンダム』ウッソのセリフ「母さんです」の衝撃の画像
DVD版『機動戦士Vガンダム 01』パッケージより引用

 現在大ヒット公開中の映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の主人公のハサウェイ・ノアはかつてニュータイプの少女クェス・パラヤと出会い、悲劇的な別れを経験。戦争をテーマにした『ガンダム』作品において“死”は切り離せないモノと言えます。

「ララァ・スンは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ」

 そして、こちらは、みなさんご存じ『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』におけるシャア・アズナブルのセリフです。『機動戦士ガンダム』シリーズの中には、キャラクターが母親像を思い描く場面が登場。いい大人が理想の母親を追い求める姿に、視聴者もいろんな感想をいだいたことでしょう。

 そんな“マザー・コンプレックス”と言えなくもないキャラクターがいる一方、主人公の実の母親に関してあまり多くは語られていません。実はガンダムシリーズの主人公たちには家庭環境に問題があったり、母親と離れ離れになっていることが多く、それゆえに母性を求める姿が描かれている……と考えられなくもないでしょう。

 そんなガンダム作品の主人公の母親の中には、劇中で壮絶な最期を遂げたキャラクターもいます。本記事ではとびきりの悲劇が描かれた2作品をご紹介したいと思います。

■息子の目の前で起こった悲しい出来事

 まずは『機動戦士Zガンダム』の主人公カミーユ・ビダンの母親、ヒルダ・ビダン。彼女は地球連邦軍の技術士官であり、ガンダムMk-IIの開発にも携わっていました。

 しかし、よりによって息子のカミーユがガンダムMk-IIを強奪してエゥーゴに合流。ティターンズは母親のヒルダを人質にとり、カミーユとガンダムMk-IIを引き渡すようにエゥーゴに要求します。

 そしてヒルダの入ったカプセルが宇宙空間に放出されると、カミーユは母親を助けるためにガンダムMk-IIで出撃。一方、カプセルの中身は“爆弾”だと伝えられていたティターンズのパイロット、ジェリド・メサ中尉は、ガンダム撃破のチャンスとばかりにカプセルを銃撃。息子の目の前で、母親を無残にも殺害してしまったのです(第3話「カプセルの中」)。

 両親ともに仕事第一、父親には愛人がいるという家庭に育ったカミーユ。家族仲は完全に冷え切っていたとはいえ、母親の死を目の当たりしたカミーユが受けたショックは大きく、この事件はその後の物語にも大きな影響を与えることになります。

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