■もう1か所ある、別の「半舷~」シーン

 先の「半舷休息」のセリフの場面は、入浴時のセイラさんの“神々しいお姿”のインパクトもあって覚えている人は多いはず。このシーンをモチーフにした彼女のフィギュアまで発売されているほどだ。

 そのせいか、ソロモン陥落以前にも実は一度「半舷~」という用語が出てきているのに気がついた人は案外少ないかもしれない。

 それは劇場版の2作目『哀・戦士編』の中で、ホワイトベースがベルファスト基地に寄港したときのこと。カイ・シデンがホワイトベースのクルーの前から去ろうとするシーンがある。突然の行動にとまどうアムロは彼を引きとめようとするが、カイは取り合わずに出ていく。このときブライトは「半舷上陸にかこつけて許可した。ほうっておけ」とアムロに説明していた。

 あくまで艦内での一時的な休憩である「半舷休息」とは異なり、「半舷上陸」とは寄港時に艦を降りて街へ行って人に会ったり、場合によっては外泊も可能な休息のこと。リフレッシュできる度合いも、より高いものと言える。

 つまり上官としてヘタに艦内に閉じこめて説得するよりも、シャバの空気を吸わせて気分転換させようというブライトの思惑が見え隠れする。また無断の離脱ではなく、あえて「半舷上陸」としたことで、カイが戻りたくなったときの配慮まで感じられるセリフだった。

 かつては殴ってでも自分の命令に従わせようとしていたブライトだが、彼の成長がかいま見える粋な計らいのセリフと言えるのではないだろうか。

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