孫悟空を最初に破った悪者・桃白白『ドラゴンボール』の空気を変えた「極悪非道な殺し屋」の全容に迫るの画像
孫悟空を最初に破った悪者・桃白白『ドラゴンボール』の空気を変えた「極悪非道な殺し屋」の全容に迫るの画像

 今年の夏、17日間に及ぶ熱戦が繰り広げられた東京五輪は8月8日に閉幕。世界各国から集結した名だたるアスリートたちの中には、日本のアニメや漫画に対するリスペクトを披露した選手も見受けられた。中でも人気だったのが鳥山明氏の人気漫画『ドラゴンボール』(集英社)だ。

 陸上男子走り幅跳びで金メダルを獲得したミルティディアス・テントグル選手(ギリシャ)は会見の席で「ドラゴンボールやNARUTO、ワンピース(ONEPIECE)が好き」などと発言。空手女子形のスペイン代表で、金メダリストを獲得したサンドラ・サンチェス選手も、空手を始めたきっかけについて「(ドラゴンボールの)孫悟空みたいになれると思った」と明かしている。

 そんな世界的な人気漫画『ドラゴンボール』の舞台は地球だけでなく宇宙規模にまで広がり、とんでもない強敵たちが次々登場。それらを倒していった主人公の孫悟空は名実ともに“宇宙最強”となったが、その悟空に一番最初に土をつけた“悪者”は、ある一人の殺し屋だった。

■読者を凍りつかせた「冷酷な行動」

 世界一の殺し屋「桃白白(タオパイパイ)」は、悟空の師匠「亀仙人」のライバル「鶴仙人」の弟で、浅からぬ因縁のあるキャラクター。レッドリボン軍に雇われた桃白白はドラゴンボールの奪取に向かい、聖地カリンを守る戦士・ボラを惨殺。その非道な行為に怒った悟空の攻撃を軽くあしらい、頼みの綱である必殺技「かめはめ波」も効果なし。逆に桃白白から反撃の「どどん波」を食らって、悟空はあっさりと返り討ちにあってしまう。

 桃白白は、ボラの前にもブルー将軍のこめかみを“舌”で貫いて殺害しており、この段階の『ドラゴンボール』の中で、ここまで堂々と殺人を行ったのは桃白白が初。どこかコミカルだった作風に一石を投じたキャラクターであり、その残忍な性格と圧倒的な実力に驚かされた読者は多いことだろう。

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