28周年!たった1本にファミコンマリオを4本収録『スーパーマリオコレクション』は子どもたちの憧れだったの画像
画像はスーパーファミコン用ソフト「スーパーマリオコレクション」(編集部撮影)
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 1993年7月14日は、任天堂スーパーファミコン用ソフト『スーパーマリオコレクション』の発売日である。ファミコンの発売10周年を記念して作られたこのソフトは、周年のお祭りソフトとしてだけでなく、80年代生まれの当時の小学生たちにとっての「憧れの対象」だった。

 なにしろ、ファミコンソフトのマリオシリーズ4作『スーパーマリオブラザーズ』、『スーパーマリオブラザーズ2』、『スーパーマリオブラザーズ3』、そして『スーパーマリオUSA』がたった1本のスーファミソフトに収録され、しかもスーパーファミコンの性能に合わせてリメイクされているのだ。これはまさに衝撃だった! メディアが大容量になった今でこそ、過去のシリーズがまとめてプレイできるコレクション系のソフトは当たり前になっているが、当時はたった1本で複数のタイトルがプレイできるということだけでも驚きだった。

『スーパーマリオコレクション』タイトル画面

 ここで、1993年の一般庶民のゲーム事情について解説していこう。この年の筆者は小学3年生。父親は法務省矯正局の国家公務員、平たく言えば刑務官だった。お世辞にも高給取りとは言えず、筆者自身も法務省管轄の公務員団地で暮らす「下町の子」だった。

 その団地は全4棟で、自分が住んでいた2号棟には84年生まれが4人もいたが、その全員が自宅にファミコンとスーパーファミコンを持っていた。スーファミは1990年11月に発売され、すぐに多くの家庭に普及したが、それでもファミコンの新作ソフトはまだまだ発売されており、依然として現役バリバリ。ファミコンとスーファミの2台持ちというのはけして珍しいものではなかった。

 自宅に呼んだ友だちと相談して『スーパーマリオブラザーズ』をやろうという話になったら、テレビと接続するケーブルをスーファミからファミコンにつなぎ直す。しかし途中で『スーパーマリオカート』をやりたいということになったら、ケーブルをファミコンからスーファミに……という面倒くさいことを繰り返していたわけだ。オンラインの「オ」の字もなかった時代の遊び方である。

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