まだアニメの放送本数が少なく、放送期間も長かった1960年~70年代。この頃アニメ化されたのは誰もが知っているビッグな漫画家たちのメジャー作品が圧倒的に多く、同じ作家によるアニメが同時期にテレビ放送されることも珍しくなかった。
その後時代は移り変わり、今ではアニメの放送本数が大幅に増加し、放送期間は短縮。そのため1クールごとに多種多様なアニメ作品が放送されるようになってきている。
しかし、そんな現状にもかかわらず2021年7月期放送の新アニメに、自身の手がけた作品を3つもアニメ化させた漫画家が登場した。
■アニメ化作品を多数有する人気漫画家
現在連載中の『小林さんちのメイドラゴン』の第2期シリーズ、原作を提供している『ピーチボーイリバーサイド』、作画を担当している『平穏世代の韋駄天達』の3作品が、同年の同一クールにアニメ化されるという快挙を成し遂げた。
その漫画家の名前は「クール教信者」。
クール教信者氏は、漫画やアニメに詳しくない人にまだそこまで名前が知られているわけではないが、アニメファンの間では、個性的かつ良質な原作を提供してくれる漫画家として有名な人物である。
それを裏づけるように、過去にクール教信者氏が自身のWEBサイトで公開した『旦那が何を言っているかわからない件』(2014年アニメ化)、商業誌での初連載作品『小森さんは断れない!』(2015年アニメ化)、そして『小林さんちのメイドラゴン』第1期シリーズ(2017年アニメ化)と、今年7月期放送のアニメを除いても、立て続けに3作品がアニメ化されている。
とくに最初の『旦那が何を言っているかわからない件』は、WEBサイトに掲載していた4コマ漫画がネットを中心に話題になり単行本化。それがショートアニメとなって、2期にわたってテレビ放送されたのだから驚きだ。
そんな知る人ぞ知る“ヒットメーカー”クール教信者氏に、近年稀に見る「同一クールに3作品アニメ化」という現象について話をうかがってみた。