■ファイヤーの“にらみつける”問題

 “伝説のポケモン”は、戦闘で優れているという点だけでなく、その見た目の神々しさから思わずパーティに入れたくなる。ただ、多くの子どもたちの支持を集めた伝説のポケモンの中には、ファイヤーという“問題児”が存在する。

 まず、ファイヤーの問題点を語る前に、他の2匹の伝説の鳥ポケモン“サンダー”と“フリーザー”について説明したい。伝説の鳥ポケモンはレベルが51になると、サンダーは「かみなり」、フリーザーは「ふぶき」を覚える。どちらも自身のタイプの最強技を覚えるの対し、ファイヤーがレベル51で覚える技がなぜか「にらみつける」なのだ。

 ファイヤーは順調にストーリーを進めると3番目に出現するため、サンダーやフリーザーの前例から、「炎タイプの最強の技『だいもんじ』を覚えるんだろうな~」と想像してしまう。そのため、なぜか相手の防御を一つ下げるだけの雑魚技「にらみつける」を覚えたことに、「なにこれ!?バグ!?」と勘違してしまうほどだった。

■上級生のバグの実験台にされる

 初代ポケモンの最大の面白さは、バラエティ豊かな“バグ”だろう。バグには、お気に入りのポケモンがいなくなったり、データが飛んでしまったりなど、非常に危険なものもあるが、伝説のポケモン・ミュウを出現させたり、マスターボールを99個にしたり、といった魅力的なものも多い。

 そこで、安全にバグを試す方法として、下級生のポケモンを実験台するという、掟破りの方法が筆者の地域では横行していた。

 当時、ゲームボーイを持って公園でよくプレイしていた筆者は、ある日、上級生に絡まれ、「技マシンを99個にする裏技って知ってる?」とバグを“裏技”と言い換える巧みな口車に乗せられ、バグの実験台にされた。残念ながらその実験は失敗に終わり、その代償として筆者のライチュウがレベル414というありえない成長を遂げてしまったのだった。

『ポケットモンスター赤・緑』はツッコミどころも多い名作だった。25周年を迎えたことで、当時の思い出が甦ったという人も多いのではないだろうか。

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