声優・徳井青空『シン・エヴァ』延期で思う「1対1」のエヴァとの関係【そらまるコラム・第15回】の画像
徳井青空(写真は著者提供)
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 こんにちわ! 声優の徳井青空です!『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開延期から始まった2021年、いかがお過ごしですか。悲しいですか。寂しいですか。悔しいですか。正直なところ、私は少しほっとしています。こんなときどんな顔をしたらいいのか、まったくもって分からないのです。

 昨年、2020年6月の公開を前に、延期が発表。特典のついたムビチケだけが静かに手もとに届いた。開封し、まだまだ出番の来ないムビチケは折ったり失くしたりしないよう丁寧にハードスリーブにて保管。以降は別命あるまで待機。TCGプレイヤーにはおなじみのハードスリーブはこんなときにも役に立つ。カードスリーブはカードの表面が傷つかないようにするもので、表面のイラストや文字を守るのはもちろん、カード裏面の共通絵柄であっても傷が多いとイカサマ用のマーキングとみなされる場合もあるため、対戦のマナーとしてもスリーブに入れてプレイするのがベターなのである。

 本来カードの保護が出来れば役割は果たしているので両面がクリアになっているシンプルなものでも良いのだが、背面にイラストが印刷された“キャラクタースリーブ”も多くあり、私はこちらが好みだ。ただ、今度はこのキャラクタースリーブの背面の印刷を保護する必要が出てくる。よってカードをキャラクタースリーブに入れ、その上からまたクリアタイプのスリーブをつけることもある。これが“二重スリーブ”であり、こちらもまた私の好みなのである。一口に透明スリーブと言ってもかなり細かい種類が存在し、触り心地や透明度など、スマホの画面保護シールにも似たさまざまな透明があるのだ。中でも私はハード、つまり硬いスリーブが好きだ。硬いほうがカッコいい。それだけだ。

 数年前に初めてTCGの大会に参加したとき、みんな同じカードを使っているのにもかかわらず、同じ50枚のデッキであるにもかかわらず、経験者たちのスリーブの厚さ、硬さ、重さ、どれも迫力のあるもので私は圧倒されてしまった。

 カードを1枚置くときにも「パチっ」と将棋みたいな音がして、そのスリーブの硬さが耳からも感じられた。二重どころか、さらにその上にスリーブを重ねた“多重スリーブ”のプレイヤーもおり、細かい傷のある歴戦の最表面のスリーブも相まって、もはやカードのテキストも霞の向こう。経験者同士ではカードの効果などテキスト部分はだいたい把握しているので問題ないが、初心者にはなかなか難しい。カードのパワーは分からないが、とにかく保護に保護を重ねている様子からプレイヤーさん自身の防御力が非常に高いことだけはすぐに分かった。

 ちなみにコーヒーショップの持ち帰りカップの下のほうにくるっと巻いてあるあの紙のカバーもスリーブと言う。「スリーブください」と店員さんにお願いするたびに私はTCGスリーブのことを思い出している。

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