「先陣を切るのはやっぱりST☆RISH!」原作・上松範康のアイディアから生まれた最新作『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ』齊藤一美プロデューサーインタビュー(第1回)の画像
『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ』より

2022年9月2日に公開した『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ』は、公開8週目に入った現在も大ヒット上映中。
多くのファンに夢と美しい音楽を届けるアイドルグループ・ST☆RISHが、全編ライブアニメーション&完全オリジナルで贈る至福の時間は必見です。今回は、2011年にスタートしたテレビアニメシリーズからコンテンツに携わっている齊藤一美プロデューサーにインタビュー。キラキラ輝き続けるST☆RISHの魅力をたっぷり語っていただきました!

 

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アニメ1期から「音楽」と「旅」のコンセプトのヒントがあった

 

――『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ』(以下、『マジLOVEスターリッシュツアーズ』)は、前作よりライブの臨場感がパワーアップした、ST☆RISH7人の魅力溢れる時間でした。本作では、「音楽で世界を旅をする」というのが、ライブのテーマになっていますね。

ST☆RISHの想いと熱量を感じていただけてうれしいです。今回の劇場版のテーマは、原作の上松範康さんのアイディアです。前作の『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム』(以下、『マジLOVEキングダム』)のテーマ曲「マジLOVEキングダム」の歌詞に、「夢が叶った今日この瞬間にまた次の旅の準備をしよう」というフレーズがあるんです。“次の旅の準備”をするということであれば、その先陣を切るのはやっぱりST☆RISHだろうと、上松さんが考案してくださいました。
当時の考案メモを見返してみると、上松さんには、ST☆RISHがさまざまな地域・文化を表現した衣裳や音楽でライブをする姿を見てみたいという気持ちもあったようです。それから奇しくも、テレビアニメシリーズの第1期冒頭で、ヒロインの七海春歌がナレーションで「闇に光を灯し荒野に花を咲かせ心を大空に旅立たせる音楽は世界を変える」と語っているんですよ。

 

――当初からそのキーワードを綴っていたんですね。

ここは、シナリオライターの金春智子さんが綴ってくださったメッセージですが、『うた☆プリ』に携わる皆さんが同じイメージをすでに持っていたんだなと、いまとなっては本当に驚いています。

 

ーーコロナ禍での制作だったと思いますが、いかがでしたか。

「彼らの未来を見たい」という想いで、この2年半を乗り越えてきました。予防対策をしながらの制作はやはり大変でしたね。実際に制作が中断したこともあります。キャラクターデザインの藤岡真紀さんもおっしゃっていたのですが、「世界」や「旅」というキーワードが2022年のいま、とても大きな意味を持っているんですよね。そういうコンセプトの映画をこのタイミングで出せるのも、さすがST☆RISHだなと思います。

 

ーー本当にそう思います。本作は前作同様、全編ライブアニメーションです。アイドルはもちろん、背景や演出など細部にこだわりを感じられました。

A-1 Picturesのクリエイター陣は、テレビシリーズの頃からアニメーションでリアルなライブ会場を作り上げるために、「マジLOVELIVE」(キャスト陣が行うライブ)に足を運んでステージ演出やバックステージの様子を見学してくださったり、ライブ映像をたくさん観て研究を重ねてくださっているんです。A-1 Picturesが作る『うた☆プリ』は、完全に独自のライブアニメーションになっていると、自信を持って言えますね。

 

ST☆RISHメンバー一人ひとりの細部の動きにこだわったモーションキャプチャ―

 

ーー7機のジェット機がスタジアムに到着し、ST☆RISHのメンバーが一人ずつ出てくる冒頭シーンは、まさにトップアイドルが降臨してきたという感じがしてワクワクしました。

本当にワクワクしますよね(笑)。この演出も含めて、ライブ全体の世界観を構築しているのは、監督の永岡智佳さんです。たくさんのアイディアを惜しみなく出してくれたのですが、彼女のイマジネーションがとにかく膨らみすぎて、現場のスタッフはきっと大変だったんじゃないかなと(笑)。

 

――そうだったんですか!

制作中、「監督からこんなアイディアが出て、いまそれに向けてCGチームが対応しています」という報告を何回か受けていましたから。プロデューサーの立場としては、「いまからそれをやって本当に納期に間に合うのかな?」と何度か不安になりました(笑)。

 

ーー(笑)。キャラクターの表情がとても豊かでした。360度ステージという会場の演出も、臨場感がありましたね。

表情に関しては、演出チームが絵コンテの段階から細かく指示してくれていいましたし、CGチームも妥協することなく表情を豊かに描くということに注力してくれました。そのおかげで、ST☆RISHのメンバーがカメラ目線で微笑んだりファンサービスを送ったりするときの表情が活き活きしていて、お客様が射抜かれてしまうような表情が生まれたんです。

 

――射抜かれました(笑)。ファンサービスをもらった瞬間、自分が本当に会場にいるような気持ちになりました。

私も射抜かれました(笑)。会場の臨場感に関しては、いまおっしゃっていただいた360度ステージの演出が効いていると思います。前作との違いを分かりやすく見せられるということと、見えない部分も含めて作り込むCGの利点を余すところなく出せる360度ステージがいいだろうということで挑戦しました。しかし、いざ作り始めると、アイドルがどこを向いても観客席が映るので、背景の作り込みはかなり大変だったようです。

 

――歌に合わせて観客も動いていましたもんね。

そうなんです。カメラがアイドルの顔をアップで抜いているか、あるいは全身を映しているかで、ペンライトの明かりの大きさや滲み方が逐一変わっているんですよ。

 

ーーMC中の7人の動きにもリアリティを感じたのですが、どうやって作っていったのでしょうか。たとえば、あるメンバーのMC中に、ほかのメンバーが話しかけてきたり、カメラ目線を入れてきたりしていましたよね。

MCシーンのアフレコを、2Dの作画アニメのときと近い形で行い、その音声に合わせてモーションキャプチャーを撮りました。7人のモーションダンサーたちに、自分が担当するアイドルがしゃべっていないときも常にライブ本番中であるということを意識して動いてもらったんです。このアイドルだったら、誰かがMC中にきっとこういう動きをするだろうと想定して。たとえば、メンバーの話を真剣に聞いたり、お客さんの反応が気になって客席をチラっと見たり、隣にいるメンバーと目配せしたり。ここは毎回新しい発見があるので、その自然な間合いを何度も観ていただいて、楽しんでほしいですね。

 

この続きは明日公開!

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INFORMATION
「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ」
全国の劇場にて公開中!

 

【イントロダクション】
人気ゲームソフトを原作とし、2011年から4シリーズに渡るテレビアニメ放映、2019年の劇場アニメ公開を経て、2021年に10周年を迎えたアニメ『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE』シリーズ。
多くのファンと共に夢と希望を育んできたアイドルたちは、2022年再び劇場という名のステージに帰ってきます! 前作に引き続き全編ライブアニメーション&完全オリジナルでおくる「劇場版うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ」、どうぞお楽しみに!!

【プロローグ】
いつだって夢はこの7人から
そして始まりは君と
さあST☆RISHと一緒に、
世界中に愛を届ける旅へと出かけよう!

 

【アーティスト】
ST☆RISH
一十木音也・聖川真斗・四ノ宮那月・一ノ瀬トキヤ・神宮寺レン・来栖 翔・愛島セシルの7人によるグループ。
シャイニング事務所所属。
音也・真斗・那月・トキヤ・レン・翔の6人が芸能専門学校在学中にグループを結成し、後にセシルが加入。
その人気は幻の新人賞「うた☆プリアワード」を受賞したことで一気に爆発し、国際的スポーツの祭典「SSS(Super Star Sports)」ではオープニングアクトを務めた。
QUARTET NIGHTやHE★VENSと共に実施したライブ「マジLOVELIVEキングダム」は大評判となり、その抜群のアイドル性と高いライブパフォーマンス力が広く知れ渡るところとなったのは記憶に新しい。

 

【メインスタッフ】
原作:上松範康/ブロッコリー
監督:永岡智佳
キャラクターデザイン原案:倉花千夏 キャラクターデザイン:藤岡真紀 CGディレクター:中島 宏
サブCGディレクター:大川 威
キャラクターモデリングディレクター:宮嶋克佳 音楽:Elements Garden
制作:A-1 Pictures
配給:松竹
製作:うた☆プリ劇場版ST製作委員会

【キャスト】
一十木音也:寺島拓篤
聖川真斗:鈴村健一
四ノ宮那月:谷山紀章
一ノ瀬トキヤ:宮野真守
神宮寺レン:諏訪部順一
来栖 翔:下野 紘 
愛島セシル:鳥海浩輔