国民的アニメ『名探偵コナン』の劇場版第25弾『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』がいよいよ4月15日に公開。東京・渋谷を舞台に、3つのエピソードが巧妙に絡まり合ったスリル満点のサスペンスの魅力を、本作のプロデューサーである小学館の近藤秀峰さん、読売テレビの汐口武史さん、トムス・エンタテインメントの寺島清晃さんに直撃! 全3回の座談会の第2回目は、注目の警察学校メンバーの魅力や、ゲスト声優・白石麻衣さんのアフレコエピソードなどについて語ってもらった。
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警察学校メンバー5人の連携プレーは必見!
――今作は、警察学校メンバーの活躍も観どころの一つです。成績優秀で射撃の名手・降谷零(CV.古谷徹)、機械の分解が得意な松田陣平(CV.神奈延年)、リーダーシップのある伊達航(CV.東地宏樹)、あるトラウマを抱えた諸伏景光(CV.緑川光)、並外れた洞察力の持ち主・萩原研二(CV.三木眞一郎)と個性的ですが、皆さんが思う5人の魅力を教えてください。
寺島 うらやましいなと思える人間関係です。ある事件が起きると、そのミッションを5人で成し遂げるところに喜びを見出している人たちなんですよね。彼らが7年前、警視庁警察学校鬼塚教場で出会った当初は、反目し合っているところもありましたが。今回の劇場版でも、あることを5人で成し遂げる場面があるのですが、役割分担が非常にスムーズなんです。お互いを心底尊重し合っているのが伝わってくるんですよね。
汐口 それと、現在は降谷以外の4人は亡くなっているので、江戸川コナンとどう絡んでくるのかというのを楽しみにして頂けると思います。
近藤 5人のキャラクターが特徴的で、これだけで単行本数十巻くらい作れるのに上下巻で終わってしまうなんてもったいないな、もっと彼らの物語を読んでみたいなと思っていますが(笑)。今回はそれぞれの見せ場があるのですが、劇中では佐藤美和子刑事の恋模様が描かれている以上、どうしても松田陣平刑事に焦点がいきがちだと思うんです。
――はい。そこはファンの方も気になっているところだと思います。原作(第36、37巻)や、テレビアニメ(第304話「揺れる警視庁~1200万人の人質~」(2003年放送))で描かれていますが、3年前、佐藤刑事直属の部下になった松田刑事は、時限爆弾のヒントを送るメールに「あんたのこと、わりと好きだったぜ」というメッセージを残して殉職してしまいました。
近藤 高木刑事が暴漢から佐藤刑事を庇ったシーンでは、佐藤刑事が松田との思い出をフラッシュバックさせます。そこで2つのエピソードは自然と絡み合っていくわけですが、警察学校メンバー5人の連携が観られるシーンもしっかりありますよ。
寺島 それは前半のアクションシーンですよね。
近藤 5人の見せ場があって、監督がそれぞれのキャラクターを掴んだ演出をしてくれてて、満を持しての登場の仕方をしているので、きっと観た方にも納得してもらえるのではないかと思います。
汐口 僕自身、会社に入りたての頃、同期の人間と仕事について話していて、競い合ったり、時には嫉妬したり、支え合ったりした仲間がいたんですが、部署が変わり、時を経てまた一緒に仕事するときの感覚というか(笑)、そういう同期の感じというのは、5人に重ねられるんじゃないかなと思います。
――5人のなかで好きなキャラクターはいますか。
近藤 警察メンバーの中の推し……。やはり一人を選ぶのは難しいですね。やっぱり5人それぞれがとてもカッコいいので。
汐口 降谷零みたいになれたらいいけど、あそこまでパーフェクトな生き方なんて、それはそれでちょっとしんどそうですしね(笑)。僕は降谷には憧れを抱きますが、シンプルにカッコいいと思うのは松田です。
寺島 僕は諸伏です。降谷、松田、萩原、伊達は過去のエピソードである程度キャラクターが見えてきていますが、諸伏がまだ僕のなかでミステリアスな存在。今いちばん知りたいキャラクターですね。
――アフレコ時の印象もぜひ教えてください。
寺島 コロナ禍でアフレコを実施したので、全員が集まって一日で録りきるという現場ではなかったのですが、警察学校組のシーンは5人の声優さんだけが集まってのアフレコとなりました。普段なら、江戸川コナン役の高山みなみさんが座長として現場をまとめてくださるのですが、今回は古谷徹さんがみんなを自然とまとめていて。高山さんは収録当日、自分の出番がないのに現場へかけつけて激励されていました。
汐口 古谷徹さん、神奈延年さん、東地宏樹さん、緑川光さん、三木眞一郎さんというすごいメンバーが集まるアフレコ現場は緊張感がありました。先日、5人の座談会をやったときに、古谷さんがアフレコのときのことをお話しされて、場を盛り上げてらっしゃいました。この5人は俺が引っ張るんだっていう気持ちが感じられましたね。
近藤 ゲスト声優の白石麻衣さん(エレニカ・ラブレンチエワ役)がとてもお上手でした。
寺島 監督や音響監督から、エレニカのバックボーンから芯がある女性であることや、過去にあった出来事を表現するときは、感情を表に出してほしいという演技指導は入りましたが、全編通して、白石さんの感覚を大切にしてやってもらいました。白石さんはお一人でのアフレコだったのですが、先に収録していたほかのキャラクターの声を聞いて、エレニカの感情を返していただくというやりかたでアフレコをしました。とても良いシーンになっているので、ぜひ注目していただきたいです。
座談会第3回は、明日公開予定!
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近藤秀峰 株式会社小学館 国際メディア事業局 クロスメディア事業センター所属。「業火の向日葵」でアシスタントプロデューサー担当、「純黒の悪夢(ナイトメア)」以降、今作までプロデューサー担当。
寺島清晃 株式会社トムス・エンタテインメント 制作本部所属。「名探偵コナン」プロデューサーを担当。
汐口武史 読売テレビ放送株式会社 編成局アニメーション部所属。ドラマ・バラエティ番組などを担当し、21年6月より現職。
《作品紹介》
『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』
2022年4月15日公開
原作:青山剛昌「名探偵コナン」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
監督:満仲 勧 脚本:大倉崇裕 音楽:菅野祐悟
主題歌:BUMP OF CHIKEN「クロノスタシス」
声の出演:
江戸川コナン●高山みなみ 毛利 蘭●山崎和佳奈 毛利小五郎●小山力也 安室 透●古谷 徹 高木 渉●高木 渉 佐藤美和子●湯屋敦子 スペシャルゲスト●白石麻衣
配給:東宝
公式サイト:https://www.conan-movie.jp/
(C)2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
東京・渋谷である結婚式が執り行われていた。そこにはウエディングドレス姿の警視庁・佐藤美和子刑事の姿が! コナンや蘭たちが招待客として見守る中、突如暴漢が式場に乱入。必死に守ろうとする高木渉刑事の姿を見た佐藤刑事は、ふと3年前の連続爆破事件で殉職した松田陣平刑事のことが脳裏に蘇る。
時を同じくして、その連続爆破事件の犯人がなんと脱獄! これは偶然か否かーー。
公安警察の降谷零は、同期の松田刑事を殉職においやった犯人を問い詰めるが、そこでハロウィンの仮装の人物に首輪爆弾を着けられてしまうーー。
果たしてコナンたちは、この事件を解決できるのか!?