女子でも男子でもハマる、読後感最高の『薬屋のひとりごと』の魅力【パンサー菅・コラム】の画像
『薬屋のひとりごと』第1巻より(ビッグガンガンコミックス)
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 どうもみなさん、私吉本興業でパンサーというパントマイムグループでお手玉担当しております菅良太郎と申します、以後お見知り置きを。

 私38歳男子なのですが、少女漫画が好きでこの「ふたまん+」で少女漫画についてのコラムを書かせていただいている次第でございます。さて、今回紹介させていただくのは原作・日向夏、作画・ねこクラゲ、構成・七緒一綺、キャラクター原案・しのとうこの『薬屋のひとりごと』でございます。すごいですね、背表紙に4人の名前が。まさにONE TEAMで面白いものを作る。素晴らしいです。

 この漫画は変わっていて、同じ原作で違う作画の先生(こちらは倉田三ノ路さん)で『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』(サンデーGXコミックス)という漫画があるんですね。今回私がオススメするのは、ねこクラゲさん作画の「ビッグガンガンコミックス」版のほうです。さてこの漫画の簡単なあらすじを公式から。

 中世の宮中で下働きをする少女・猫猫(マオマオ)。花街で薬師をやっていた彼女が、帝の御子たちが皆短命であるこという噂を聞いてしまったところから、物語は動き始める。持ち前の好奇心と知識欲に突き動かされ、興味本位でその原因を調べ始める元薬屋の少女・猫猫(マオマオ)の好奇心が、宮中を動かす……!?

 もともと小説からのコミカライズ作品です、なので描写が丁寧なのはもちろん、ミステリーとしても一級品でございます。なのでこれ少女漫画なのか? 私もギリギリ強引にこれは主人公少女だし、超イケメンの宮官長に気に入られたりってのがあるし、これは少女漫画! と決めつけてコラムを強引に書いている次第でございます。

 なのでふだん少女漫画読まない男子。余裕で入れます。

 中世の医療&ミステリーものとしてめっちゃ面白いです。あといろんなタイプの美女が大量に出てきます。うれしいですよね? こう書いていると青年漫画では? と思われそうですが僕はもう少女漫画と決めつけてこのコラムを書くという強い決意を持っているのでクレームはやめてください。でも本当に読めば分かりますよ、菅の葛藤が。これはきっと青年にも少女にも刺さるユニセックスな漫画ですね。

 あえて少女漫画っぽいところを書くと、後宮という帝の子を成すための男子禁制の女の園があって(簡単に日本風に言うと大奥)そこを取り仕切る、女性はもちろん男性からもモテてしまう超イケメンの長官、壬氏(じんし)から主人公の猫猫(まおまお)がなぜか気に入られてしまい、事あるたびに構われるってところですね。最初はクールに見えていた壬氏がだんだん尻尾ブンブン振り回す系に見えてくるのがかわいいです。

 なぜ男子禁制の後宮の長官がそんなイケメンなんだっていうのもしっかり理由があって、そこもまた小説からのコミカライズで設定がしっかりしているなぁと感じるところ。

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