■デジモンアニメの衝撃
そんななか、家にいる日中もテレビでアニメの再放送なんかがけっこうやってて嬉しかった。
そして平成生まれの夏アニメといえば、やはり「デジモン」だ。アニメの放送自体は1年を通してあったが、夏休みが舞台ということでやっぱり夏はデジモンの夏なのだ。
1999年。当時からオカルト論者だった私はノストラダムスの大預言をすっかり信じ、1999年7月には世界が滅亡する恐怖におびえつつも、どうせ滅亡するから夏休みの宿題もやらなくて良いし8月のラジオ体操がなくなるならこれ以上の幸せはないと、淡い期待で一人ニヤついていた。
デジモンは、私がポケモンの赤をクリアしせっせとポケモンの四コマ漫画を描いている最中の登場だった。以前のコラムでも書いたとおり「コロコロコミック」育ちの私にとってデジモンが掲載されている「Vジャンプ」はちょっと大人の領域であり、「隣の家のお兄さんが読むもの」なイメージだったのでデジモン自体もちょっと対象年齢が上なのかなと感じていたところ、デジモンのアニメ放送が始まり、衝撃が走った。
「しゃ……しゃべった……!!モンスターがしゃべった!!!!!!」
モンスターは言葉をしゃべらないという小学生の常識をブチ破る展開に驚いたのもつかの間、登場人物に「空」という名前の子がいて私はさらに驚いたのだった!
サトシ……タケシ……カスミ……太一……空!!! ソラ!!!! ついに時代が自分に追いついた! それ見たことか!!!
すっかりデジモンにハマり、デジモンペンデュラム、デジヴァイス、光子郎のノートパソコン、ぬいぐるみ、紋章のチャームなどおもちゃやグッズも集めた。特にデジヴァイスは画期的で、太一たちと同じ物を腰に着けたい、という当時からコスプレイヤーだった私にとってサイズ、カラーがまったくアニメと一緒なのは大変ありがたい仕様だった。もちろん、シビれる”スケルトン”仕様だ。ゲームボーイカラーもスケルトンだったし。
最近、声優の久保田未夢ちゃんに聞いた話だが、子どもの頃スケルトンのゲームボーイを愛用してる人は大人になってからもオタクになる傾向があるそうだ。うん、当たってるね! ニンテンドー64のコントローラーもスケルトンだったし、調べたら光子郎のノートパソコンのおもちゃ「デジモンアナライザー」もスケルトンだった。スケルトン……。それは科学とロマンにあふれる最高のビジュアル。なんで最近はスケルトンのものがないんだろう! Appleの昔のデスクトップパソコン、スケルトンだったよね!? って、よく見たらデジモンアナライザーのデザイン、背面にリンゴじゃなくてパイナップルのシルエットがあって、Mac風じゃん! あぁ、スケルトンのiPhoneがあったら世界中のオタクがこぞって買うはずなのに。もったいない。
そんな思い出のデジモンが、2020年の夏また放送しているのだ!!!
太一たち登場人物は変わらず。アグモンたちにいたっては担当する声優さんも当時と同じという激アツさ。嬉しすぎる……。シナリオは当時と変わっているそうで、懐かしくてエモいだけじゃなくまた新たな物語として楽しむことができる。
毎週日曜は午後のラジオ生放送があるため、デジモンの放送時間には毎回起きて見ている。それぞれの最初の進化には朝から涙があふれた。デジモン見てワンピース見て、あれ、遅く起きた朝は見て、笑っていいとも!増刊号を見たら、もう昼飯の時間だ、などと、ぼんやり小学生そらまるの記憶とリンクする日曜日。
クーラーの効いた快適な部屋でまったり朝のコーヒーを飲みながらデジモンを見ているとき、大人になって良かったなと私は改めて感じるのであった。