倒していいですか?と言えずに新幹線の座席は直角のまま目的地に向かう、でおなじみムーディ勝山です。こんにちは。
世の中はコロナにより未曾有の事態に見舞われています。目を覆いたくなるようニュースばかりが飛び込んできますが、なんとか人類一つになってこの事態を乗り越えましょう!!
お仕事に関しても各方面で影響が出ていますが、もちろん我々芸人も仕事は軒並み休みになっています。個人的には去年色々あったので長期間自宅にこもるのは最近では2度目です。
タレントを6000人以上抱える我が吉本興業。いろんな人たちがいますが、コンビ名をまさかの「コロナクラウン」にしていた後輩がいました。いつか芸能界でトップに立つんだ!とつけたコンビ名がまさかの世界を苦しめるウイルスの名前が入るなんて、笑いの神はなんという試練を彼らに与えるのでしょうか。可哀想すぎます。まだ改名はせずに頑張っているようです。今後の「コロナクラウン」の動きにも注目です。
しかし「コロナ離婚」という言葉まで生まれてしまうように、ストレスが溜まる人も多いようですね。
僕の後輩のジョイマン高木に話を聞いたところ、彼もやはり「少し嫁とギクシャクしてきました……」とのこと。
まだ自粛宣言は出ていなかった時期、仕事がどんどんなくなって家に高木がずっといるという状態で、気晴らしに家族で商店街におでかけをしたそうなんです。小学生の娘と嫁と3人で。買い物したり楽しく歩いていると一つの屋台に目が止まりました。「チーズハットク」です。アメリカンドッグのような形状で食べると中に入っているチーズが伸びて「インスタ映え」するという、アレです。娘が欲しいと言ったので、家族で一本のチーズハットクを購入したそうです。「一杯のかけそば」ならぬ「一本のチーズハットク」です。
娘と高木が食べているときに、奥さんは「一口残しておいて」と、お手洗いへと向かいました。ただ、奥さんが帰ってくると、根っこのカリカリした部分しか残っていませんでした。その場は奥さんも何も言わなかったそうですが、帰って高木が娘と楽しく風呂に入っていたときでした。湯船に浸かり楽しく歌っていると、風呂場のドアが急にガラッ!!と開き、そこに立っていた嫁がひと言「チーズハットク一口残しておいてって言ったよねぇ!!!」とキレたのです。え? こんな時間差でキレんの……?
「いつもの嫁ならキレなかったと思うんです。コロナのせいです。コロナのせいで……」と説明する高木の顔はほとんど影で見えませんでしたが、多分泣いていたと思います。
■3年前に漫画で描かれた感染症
こんなとき、家に居ながらも楽しめる漫画は本当に助かります。特に漫画は読むほうもそうですが、描くほうもほとんどの作業を家でするのでこの状況でも強い!
テレビのインタビューでお爺さんが「こんなことは生きていて初めてだ……」と言っていましたが、今回のことは誰も予想できなかった事態です。しかし今から3年前、感染症拡大をテーマにした漫画があったのです!
その漫画の名は『リウーを待ちながら』。14世紀に世界人口の22%を死に追い込んだ「ペスト」の感染がテーマ。山P主演でドラマ化もされた人気漫画『インハンド』の朱戸アオさんが3年前に『イブニング』(講談社)で連載した全3巻の作品です。
舞台は富士山麓の美しい街・横走市。駐屯している自衛隊員が吐血し昏倒。この自衛隊員が派遣先の中央アジアから持ち帰ってしまったもの、それが「肺ペスト」でした。同じ症状の患者が相次いで死亡した。病院には患者が詰めかけ、抗生剤は不足、事態は悪化の一途をたどる。主人公の内科医・玉木涼穂はこの局面を最前線の医師としてどのように立ち向かうのか。生活感あふれる丁寧な描写が、より絶望を増幅します。
読んでいくと、コロナで苦しむ今の現実とダブっているシーンが山ほどあります。怖いほどです……! 平和な街に感染症があっという間に、まるで「漫画のように」拡がっていくんですが、このスピードが誇張じゃないと分かってしまうのは、現実でいままさに僕たちが体験しているからこそ。今の日本でも悲しいかな、感染した人を叩いてしまう風潮がありますが、漫画でもこうなっていたかもしれないという、もう一つの現実を見せてくれます……。
ここで、この漫画の受け流せないポイント!!!
現在でも街から街への移動を制限されたり、いろんな要請が発表されていますが、この漫画では感染症が発生した横走市をロックダウンしてしまいます。完全な封鎖。作中の「死ぬのは横走市民6万人だけでいい」という強烈なセリフ。日本全体に広まれば8千万人、世界に広まれば50億人。それならば隔離しようと、犠牲は横走市だけで済まそうという施策です。
漫画では、そこから隔離された人が起こす驚きの行動が描かれます。そして「横走市市民」への偏見や差別が起き、友だちだったはずの人たちからは辛辣なLINEが送られてしまう。違う町では横走市出身者というだけで差別を受ける。このあたりの描写がすごくリアルでゾッとするんです……。
そんな中で病院という最前線にいる主人公・玉木、そこで戦う医療従事者たちはこの局面にどう立ち向かうのか。ちなみに玉木さんは患者さんから「ある女子アナに似てる」と褒められるぐらいの美人なので、ドラマ化するなら柴咲コウさんか高畑充希さんか杉咲花さんでお願いします。
不安な時期が続きますが、ストレスは右から左に受け流して、家の中でおもろい漫画を読みこの事態をみんなで乗り越えたいですね。