『紺青の拳』にも登場『名探偵コナン』怪盗キッドは“セルフコラボ”の大成功例!?の画像
※画像は日本テレビ『金曜ロードシネマクラブ』の公式サイトより
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 4月17日の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で、映画『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』が放送される。2019年に公開されたばかりの同作は、屈指の人気キャラである怪盗キッドの登場もあってか、コナン映画史上最高の興行収入93.7億円を記録した。しかし、この怪盗キッドが、もともとは別の作品の主人公だったことを知らない人も案外いるようだ。

『名探偵コナン』の連載が『週刊少年サンデー』(小学館)で始まったのは1994年のこと。だが、それより約7年も前の1987年に、青山剛昌氏は『まじっく快斗』という作品を発表している。

 その作品に登場するマジック好きの高校生・黒羽快斗こそ、怪盗キッドの正体である。

 こうした同一作者の描いた別作品のキャラを作中に登場させるのは、『ドラゴンボール』(集英社)に『Dr.スランプ』のアラレちゃんが登場した鳥山明氏の例などもあるが、基本的には単一のエピソードや1回かぎりのゲスト出演が大半。また、ロボットアニメの続編にあたる作品で前作のキャラが活躍した例については、これは完全な別作品というくくりには該当しないだろう。

 そう考えると怪盗キッドのように、定期的に何度も劇場版にまで登場して、準レギュラー級の活躍をするような例は数少ないと言える。

■コナンの物語にまで密接に絡む!

 コナンの正体である工藤新一と怪盗キッドは「容姿や声がそっくり」という設定になっており、どちらのキャラも山口勝平が声優を務めている。怪盗キッドはそれを利用した変装(というか素顔)で、新一になりすますことも多い。

 また、現在の怪盗キッド・黒羽快斗は二代目にあたり、初代・怪盗キッドは父親の黒羽盗一である。この盗一は、コナンの作中では工藤新一の父親の工藤優作のライバルであり、本職のマジシャンとしては新一の母親・有希子や、のちのベルモット(シャロン)に変装術を教えたという過去も作中で描かれている。コナンの作中でもストーリーに関係してくる、比較的重要な役割を担っていると言えるだろう。

 そして『まじっく快斗』がアニメ化されたとき、盗一の声は池田秀一が担当。コナンでは赤井秀一役を演じている池田が、『まじっく快斗』では「黒羽盗一役」という関係性も面白いところだ。

 それ以外にも、映画『名探偵コナン 業火の向日葵』では、怪盗キッドが「ジイちゃん」と呼ぶ助手の老人・寺井黄之助がストーリーに大きく絡む活躍を見せていた。

 ちなみに『まじっく快斗』には魔法を使うキャラが存在するなど、コナンとは少々世界観が異なる部分もある。そのためか、『まじっく快斗』の主要キャラの中で、魔女の小泉紅子だけはコナンの原作漫画に登場していない(アニメには登場済み)。

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