ファミコン版『けっきょく南極大冒険』35周年! 疾走するペンギンに熱中した日々の画像
ファミコン版『けっきょく南極大冒険』(編集部撮影)
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 ファミコン版『けっきょく南極大冒険』(コナミ)は1985年4月22日に発売され、今年でめでたく35周年を迎えます。その元祖は1983年に発売されたMSX版となりますが、このゲームは“I LOVE 地理”と銘打たれた教育ゲームだったことをご存知でしょうか。

『けっきょく南極大冒険』のゲーム内容はシンプルなアクションゲームで、制限時間内にペンギンが各国の南極基地に到達できればステージクリアとなります。クリア時には各国の国旗が掲揚されるので、これを覚えることが教育ゲーム的な要素だったのかもしれませんね。

 主人公のペンギンは、コントローラーの上下でスピードを増減させ、左右に移動するレースゲームのような操作感。またジャンプで障害物を避けることができました。

 道中には地割れのようなクレバスや、そこからひょっこりアザラシが顔を覗かせることがあり、これにペンギンが衝突したり、つまずいたりするとスピードがダウンしてタイムロス。いくら障害物に激突してもゲームオーバーにはならず、制限時間内に基地にたどり着けばクリアとなる仕様でした。

ゴール地点は各国の南極基地だった

 基地までの道中には旗が落ちていたり、クレバスから魚が飛び出したりしますが、これらをゲットするとスコアがアップ。ですが、まずはゴールすることが最優先のゲームだったので、わざわざ減速してまでアイテムを取りにいく余裕はなかった印象です。

 また、光る旗を取ると、ペンギンくんは『ドラえもん』のタケコプターのようなアイテムを頭に装着。ジャンプボタンを連打すると一定時間の間、空中を浮遊することができました。とはいえ、それほど高度が上がらないため、クレバスを避けることができても、アザラシにはしっかり当たってしまうのが残念なところ。ちなみにこのアイテムはタケコプターではなく、“ペギコプター”というのが正式名称です。……ペンギン+ヘリコプター?

 南極大陸には10のステージが用意されていて、ステージ5をクリアすると南極点に到達。この南極点とステージ10の日本基地に到着したときだけ、ペンギンがほかと異なるポーズで喜んでくれるのが、子ども心にうれしかったですよね。

 そして、このゲームのBGMといえばエミール・ワルトトイフェルの『スケーターズ・ワルツ』。今でもこの優雅な曲を聴くと『けっきょく南極大冒険』を思い出してしまう人はけっこう多いのではないでしょうか。

 余談ですが、この『けっきょく南極大冒険』の続編である『夢大陸アドベンチャー』というゲームが、本作の翌年の1986年にリリースされました。しかし、MSX版だけの発売だったため、お年玉をはたいてMSX本体とゲームを購入。そのくらい、あのペンギンくん(後にペン太と命名される)に魅了されていたことを覚えています。

 このペンギンのキャラ“ペン太”は、当時コナミのマスコット的な扱いで、その後はさまざまなゲームに登場。アーケードゲーム『パロディウスだ!~神話からお笑いへ~』や『極上パロディウス~過去の栄光を求めて』などに登場した“ペン太郎”は、そのペン太の息子だったりします。

 ペンギンといえばコナミ……そういう時代がたしかにありました。

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