中国の湖南省武漢市で発生したコロナウイルスについて、政府が2月26日、新たな基本方針を発表。25日、「首相官邸」公式サイトでは「イベント等の開催について、現時点で全国一律の自粛要請を行うものではない」としていたが、翌26日には、感染拡大の影響を鑑みて「この1、2週間が感染防止に極めて重要である」とし、「多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等は大規模な感染リスクがあることから、2月26日から2週間は、中止、延期又は規模縮小等の対応をお願いします」とイベント等の自粛を発表した。
この発表を受けて、有名アーティストも続々とライブの中止を発表。26日に東京ドームでライブを開催予定だったPerfume、京セラドーム大阪でライブを開催予定だったEXILEはそれぞれ当日にライブ中止を発表し、払い戻しを行う事態となった。
イベントの開催自粛の要請は舞台にも影響を及ぼしている。堂本光一主演のミュージカル『Endless SHOCK 20th Anniversary』は2月28日から3月10日まで公演を中止、劇団四季や劇団☆新感線も公演期間のうち、一部の中止を発表した。
また2.5次元舞台では、2月29日・3月1日に公演予定だった『デスノート THE MUSICAL』の大阪公演をはじめとし、『ゾンビランドサガ Stage de ドーン!』『新サクラ大戦 the Stage』などが中止を発表。2月20日から3月1日までの期間、公演が行われる予定だった『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』は27日以降の公演を取りやめることを発表。また、人気声優が日替わりで出演する音楽朗読劇『VOICARION 女王がいた客室』は、梶裕貴や三石琴乃らが出演する初日の27日のみ公演を行い、以降の公演を中止した。同様に俳優のイベントなどでは、開催こそするものの、握手など直接の接触を中止するといった対策がとられているところも少なくない。
また現段階では中止を発表していないが、3月以降に行われる舞台やライブにも、ファンから開催について心配する声が上がっている。その中には3月21日より上演されるミュージカル『刀剣乱舞 ~静かの海のパライソ~』や3月29日に埼玉・メットライフドームで開催予定の『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 5th LIVE』など、大人気タイトルも多い。
相次ぐ公演中止を受け、ファンは「何か月も前からチケットやホテルを取っていたのに残念」「演者は悪くないし、仕方ない」「どちらにしても早めに発表してほしい……」とネット上で様々な意見が飛び交っている。
「公演を決行するにしろ中止するにしろ、運営側には覚悟がいること。中には安全衛生対策を行った上で開催を行い、並行して来場できない観客には払い戻し対応をするというところもありますが、すべての団体がそうできないのも現状です。どちらにせよ、狭い空間に大勢が集まるので個人のマスク着用や手洗いなどの対策は必須です」(舞台ライター)
エンタメ業界にも大きな影響を与えた新型コロナウイルス。安倍晋三首相は29日に政府対応を説明するため、記者会見を開くものと見られている。