少女漫画『君に届け』は北野武作品『アウトレイジ』の対義語だった!【パンサー菅の少女漫画コラム】の画像
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 どうも皆さん。私吉本興業でパンサーという3人組で活動しておりますヒゲ&ロン毛の菅良太郎というものでございます。

 そんな私が少女漫画を語らせて頂くコラムの第2回目、今回の作品は『君に届け』。こちらでございます。

 アニメ化、映画化もされたので、少女漫画に詳しくはない男子の皆さんもタイトルは聞いたことある……って方は多いと思います。

 舐めないでください。これ少女漫画好きな子たちは男子でいう『キングダム』ぐらい皆読んでる作品でございます。

 かくいう私もこの『君に届け』が大好きで。どのくらい好きかというと、自分のライブで『菅に届け』というコーナーを作り、沢山あるシチュエーションの中で即興演技をし、菅をときめかせたらポイントがもらえる(出演は全員30オーバーの男芸人)という誰が得するのか分からないコーナーを定期的にやっていたぐらいには大好きなんです。

 少女漫画の王道中の王道であるといっても過言ではない『君に届け』を今回チョイスした理由は、それまでの王道少女漫画とは画期的に違う「登場人物全員が善人である」ってことなんです。

 その『君に届け』のあらすじはといいますと、高校1年生の春、桜の下で出会った爽子と風早。陰気な見た目で“貞子”というあだ名で呼ばれている爽子。クラスでは怖がられて、浮いている存在だった爽子。しかし、風早と出会い、その言葉で変わっていく。千鶴・あやねの2人とは、誤解の末に大事な友達同士に。少しずつ広がっていく爽子の世界。そして、爽子は風早への恋心を自覚して……。

 あらすじは王道ですね、少し変わっているのがヒロインが皆にあの映画『リング』の貞子と名付けられるほど怖がられているってくらい。でもこの作品を最初に人気作品に引っ張っていったのが、爽子が恋していくことになる相手の風早くんだと思うんです。

 もうこの風早くんがスゴい。

 爽やか&優しさがもうファンタジー級にあふれ出ております。こんな子現実で探すんだったらユニコーン探したほうがまだ現実味あるんじゃない?ってくらいのヒロイン相手です。

 初めて読んだとき、珍しいなって思ったんですが、僕が思う王道で言ったらこういうキャラってヒロインに接近する2人目なんです。すごく簡単にいうとヒロインに対し、第一印象はクールでムカつくやつ→からの実は優しいやつ(それか、めっちゃいい笑顔)→トクン……え? なにこの感情……もしかして私、アイツのこと気になってる?……いやいや、そんなわけないし!! ってなってるときに爽やかで優しいイケメンが現れて‥ってのが多いかなと。

 でもこの作品は第1巻から風早くんがクライマックス級に爽やか&優しさフルスロットル。1巻目を読んだ感想は、おいおいおい? あれかい? 俺は最終回付近から読まされてんのかい? って思ったくらい。

 その完璧さに引っ込み思案だった爽子が憧れ、努力して成長していくという。めちゃくちゃ泣ける純度100%のピュアストーリーでございます。

 そして先ほどから触れているこの漫画の特徴的なものとして、1人も嫌な奴が出てこないんです。

 やっぱりスパイスとしてヒロイン周りを掻き回す嫌な女子がいたほうが盛り上がるんですよ。代表例で言うと『NANA』のサチコの「わざとだよ?」みたいなね(これ女子なら9割分かるはず)

 でもこの『君に届け』。全員善人。

 映画『アウトレイジ』の対義語は『君に届け』といっても過言ではないはず。

 友情でもしっかり泣けるし、周りの友達の恋愛もちゃんと描かれています。

『君に届け』自体は大円団で2017年に完結したのですが、今は『君に届け 運命の人』という他の登場人物を主人公にしたスピンオフ作品が連載中でございます。これもヤバしなんですが、語り出すと2か月分のコラムになるのでやめておきます。

 このストレス社会で疲れ切っている皆さん、

 是非『君に届け』を読んで心のクリーニングをしてください。汚れが真っ白を超えて透明になること間違いなし! お試しあれ!