どうも、ヤマグチクエストです。
私は、芸名に「クエスト」と入れるほどのRPG好きで、『ドラクエ』『FF』といった大名作から『ヘラクレスの栄光』『バテン・カイトス』『大貝獣物語』などといった隠れた名作などなど、数々のRPGをプレイして参りました。
RPGと聞けばとりあえずプレイしたくなってしまう病気にかかっている私が、今回『クロノ・クロス』についてお話しさせていただこうと思います。
ちなみに、みなさんは『クロノ・クロス』をご存知でしょうか?
仮に知らなくとも、「クロノ」というタイトルでピンときた方もいらっしゃるかと思いますが、本作はかの大名作『クロノ・トリガー』の続編として作られた作品です。
しかし、『トリガー』はマルチエンディングであったことから、いわゆる“続編”を作るのはなかなか難しい試みであったのか『トリガー2』ではなく『クロス』と題し、20年前の今日、1999年11月18日に発売されました。
ちょうど20周年を迎えた今もなお、根強い人気を誇るゲーム(2020年1月にコンサートツアーが予定されているほど多くのファンに愛されている名作)ではありますが、某有名誌の調査における平成を代表するゲームのナンバー1に輝いた『トリガー』ほどの知名度はなく、「知ってはいるけどやったことはないのよね…」という方も多いのではないでしょうか?
■難解かつ骨太なストーリーが人を選んだのでは
ではなぜ、『クロス』があまり流行らなかったのか。まずは物語の導入を説明させていただきます。
物語冒頭、主人公・セルジュは、あるダンジョンのようなところを2人の仲間とともに探索する夢(?)を見ます。その夢の終わりに、謎のフラッシュバック(横たわる金髪の女性、血の付いたナイフ、ニヤリと笑う謎の男)を見たところで目を覚まします。
セルジュは自らの故郷アルニ村という漁村で目を覚まし、幼なじみのレナに「コドモ大トカゲのウロコ」をとってくるよう頼まれます。
そして無事にウロコを集め、待ち合わせ場所の浜辺でレナと思い出話をしていると、レナのものではない声で「セルジュ」と呼ばれます。
その直後、大きな波が浜辺に向かってきたと思ったのも束の間、セルジュは光に包まれその場に倒れ込んでしまいました。
気がつくと浜辺にレナの姿はなく、先に戻ったのかと思いアルニ村に帰ると、村の人はなぜかセルジュをよそ者扱いする上に、自分の家には見知らぬ男が住んでいました。(しかも5年前から住んでいたなどと言いやがる)
わけも分からぬままレナを見つけ話しかけると、レナは自分のことをまったく知らないどころか「セルジュは10年前に死んだ」と言い張るのでした……。
ここまでが物語の冒頭。
「浜辺で光に包まれてから10年の時がたっていた」のではなく、「10年前にセルジュが死んだ世界線」が存在している、という点が非常に分かりにくく、当時はあまり受け入れられなかったのかな、と推測します。
たとえば『トリガー』は、過去や未来へとタイムトラベルを繰り返すことで世界を救う物語であったのに対し、本作『クロス』は『トリガー』の歴史改変により生まれた数ある未来のうちの1つを描いた物語であり、セルジュが「生きている世界」と「死んでいる世界」というパラレルワールドで描かれた壮大な物語なのです。
また世界線が変わったことで、片方で成功者であった人が、もう片方の世界では大失敗していたりなど、2つの選択肢のうちどちらを選んだかによって彼らの人生も変化しています。
このへんの対比を楽しむのも面白いと思いますので、ぜひいろんな人に声をかけまくってみてください!(なにげない会話にとんでもない伏線があったりしますよ……)
冒頭に見た夢の正体とは、セルジュがなぜ死んでいるのに「存在」しているのか、そもそもセルジュは「死んでいるのか」、などなどセルジュの冒頭だけでもこれだけの謎があります。
プレイステーションのゲームでありながら、プレイステーション2にも劣らないほど美しいグラフィック、素晴らしいOPムービー、戦闘演出などなど当時としては最高峰の完成度を誇りますが、やはり現在のゲームと比べれば当然、見劣りしてしまいます。
しかし、本作は1周目のクリアではすべての伏線を回収しきれないほど重厚なシナリオが売りです!
「グラフィックが今と比べて劣る≒古臭い面白くないゲーム」では断じてありません!
シナリオがしっかり作り込まれたゲームは、たとえどんなに古くとも楽しめるという点が素晴らしいですよね。
ちなみに、本作の仲間キャラクターの総数はなんと45人!
さらに会話自動生成システムにより、それぞれのキャラクターがシーンごとに状況に応じてセリフが用意されている点もすごいところ!(3人パーティなのが惜しい…!)
ぜひ様々な会話パターンで、物語を味わってみてはいかがでしょうか?(新たな真実が聞けるかも…!?)
■『トリガー』を遊んだのならぜひやってみて!
マルチエンディングであった『トリガー』の「1つの解釈」を暗示する本作のある演出は、いまだにファンの間で議論が交わされるほどで、パラレルワールドにおける時系列が複雑で非常に難解なシナリオということもあり、何も考えずにプレイすると「結局なんだったんだ?」となってしまいがち。
しかし、もう一度プレイして1周目で気を配らなかったことにも目を向けてみると「え、そうだったの!」「じゃあ、あれは…?」と新たな疑問が生まれることでしょう。
その答えはゲームの中にあるかもしれませんし、もしかしたらないかもしれません。ですが、それこそが『クロス』の醍醐味!
腰を据えて、じっくりプレイしていくことでどんどん味わい深くなるという「本格RPG」であるため、忙しい現代人の肌にはなかなか合わないかもしれませんが、もし「このお話がどう決着するのか」が気になった方はプレイしてみてください。
もちろん本作は『トリガー』をプレイしていない人も楽しめますが、プレイしている人であれば楽しみや発見は激増します!
先程、『トリガー』の数ある未来のうちの1つを描いた作品であると説明しましたが、何を隠そう本作には『トリガー』の作中にも登場したキャラクターが出てくるのです。
本作では彼らはどのように登場するのか。セルジュに何を語るのか。
ぜひご自身の目で確かめてみてはいかがでしょうか?
■「20年前のゲーム」と侮るなかれ!
今も色褪せない圧倒的な伏線回収の美しさと、1周では絶対に拾いきれないほど壮大かつ複雑なストーリーの結末を、20周年を迎えたこの機会にぜひご堪能あれ!
(ちなみに僕も今、久しぶりにプレイし直しておりますが、OPムービーで早速ドギモを抜かれました。初見では絶対気づけない発見があるのも、『クロス』を常に新鮮に楽しめる工夫ですよね……)