こんにちは、ムーディ勝山です。私が気になる漫画を人にオススメするという、上半期色々あった私にとっては奇跡のようなタイミングでこのコラムが始まりました。ありがとうございます。感謝しかございません。
さて、なぜこのような仕事が僕なんかに舞い込んだかと言うと、少し前の『アメトーーク!』の『漫画好き芸人』の回で、漫画通で知られるケンドーコバヤシさんと麒麟の川島明さんの2人が、番組中に「ムーディの漫画情報は絶対信頼できるからオススメされたら必ず読む」とおっしゃってくれたのです。
大事なことなのでもう一度言いますね。漫画通で知られるケンドーコバヤシさんと川島さんの2人が、番組中に「ムーディからオススメされた漫画情報は絶対信頼できるからオススメされたら必ず読む!」とおっしゃってくれたのです。
他にも「あいつが選ぶ“ムーディ大賞”は間違いない」など、僕は「売れっ子にはできない時間たっぷりある奴の圧倒的リサーチ力」を活かして数々の漫画を芸人さんに紹介してきたのです。
代表的な例で言うと、川島さんには石塚真一さんによるジャズ漫画『BLUE GIANT』、ケンコバさんには今年4月に映画化もされた原泰久さんの漫画『キングダム』をオススメしました。そしてキングダムにどハマリしたケンコバさんを筆頭に、キングダムの爆発的ヒットのきっかけとなった『アメトーーク!』での『キングダム芸人』の放送に繋がる訳です。
しかし、ケンコバさんにキングダムをオススメしたはずの僕の姿は雛壇には無く、その回を僕は「コバヤシさんにキングダムを教えたのは俺なのに!!」と、テレビの前で「ぐぎぎぎぎ……!」と山下たろーばりの歯ぎしりをしていました。
ですが、そのおかげで取材をしていただいたり、ラジオで漫画を紹介するコーナーをやらせてもらえるようになりました。
そして始まったこのコラムがまさに「ムーディ勝山がオススメの漫画を他の芸人さんに紹介する!」というテーマです。
記念すべき第1回目は、普段からかわいがってもらっている先輩、麒麟・川島明さん。
最近はテレビでもMCやられたり、NHKの朝ドラに出演されたりする爆売れ兄さんです。
そんな川島さんに今回オススメする漫画は、柴田ヨクサル先生の最新作『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』。柴田先生は『ハチワンダイバー』でもおなじみです。
『ハチワンダイバー』といえば、将棋アクション漫画という見たこと無い設定で、将棋の面白さに加えバトルの要素、そして今にも音や声が聞こえてきそうなキャラクターの熱量と魂のこもったセリフと画の迫力に、瞬く間に大ヒット。テレビドラマ化、ゲーム化、さらにはパチンコにまでなっている超絶おもしろ漫画です。(テレビドラマではヒロインのメイド娘を仲里依紗さんが演じるという、テレビドラマキャスティング史上1位のドラマ!)
そんな柴田ヨクサル先生の新作がこの漫画。
オススメする理由としては、川島さんが以前「ハチワンダイバー」を読んでいたという情報を掴んでいたことと、まだ現段階で3巻までしか出ていないので、移動の合間にもスラッと読めること。お忙しい川島さんにもピッタリ。そして何より「面白い」のです。
面白い理由は明らかで、作者の柴田ヨクサル先生がずっと描きたかったテーマというのが「仮面ライダー」だったからなんです。先生のこれまでの作品には仮面を被ったキャラクターがずっと出ていました。それも「仮面ライダー」が描きたかったからなんです。
先生は、第1巻発売当時に「仮面ライダーを描きたいって言いながら、仮面ライダーの周りをグルグル回ってたみたいな感じでした」と公式コメントを出しています。今までのあれほど面白かった作品たちが通過点で、この作品こそが柴田ヨクサルの“到達点”だというんです。そんな作品が面白くないわけがない!
物語は仮面ライダーに憧れ続けながら生きてきた40才の主人公・東島丹三郎がついには仮面ライダーとしてショッカーと戦うという物語。中年男性を主人公にした新しいヒーロー漫画ですが、東島丹三郎の不器用な生き方に自分を重ねてつい涙してしまう、そんな同世代の人もいるんではないかと思わせる、少し切なさもあるテーマ。なにせ見て欲しいのは、最初に東島丹三郎が「ライダーキック」をするまでです。なんと4ページをまるまる使ったこの「ライダーキック」。主人公・東島丹三郎と、作者柴田ヨクサル先生の「仮面ライダーをずっと描きたかった」想いが乗ってるように思えます。
川島さんもオススメしてからすぐに、この作品を読んで感想を下さりました。
「重くて太い展開の連続。ナイフとフォークを使わず肉を喰らっているような満足感。右から左へ受け流さず、ど正面から愛すべき無様なヒーローを受け止めよう」
金の取れるコメント!!!
ギャラが発生するやつ!!!
帯にのせたいやつ!!!
僕のネタも入れるうまさ!!!
大変気にいってくれたようで良かったです。
この作品の面白さは、「アキバの受け師」にも受け止められないことでしょう……!