8月25日にアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』(フジテレビ系)第70話「霊障 足跡の怪」が放送された。これは1970年代の第2期『ゲゲゲの鬼太郎』でも放送されたエピソードで、人の体が徐々に溶けていくという描写が特徴の“伝説のトラウマ回”として名高いホラー回。
話の舞台は“入らずの山”。そこには“タイタンボウ”という氏神がおり、山の番人に任命された人は4日に一度、“御霊石”に祈りを捧げなければいけないという風習があった。さらに山の番人には、町の住人以外を山に入れてはならないという役目もあり、もしそれを怠れば、恐ろしい祟りが町に降りかかると語り継がれていた。
20歳になったことで番人を務めることとなった阿形家の長男・阿形健人は、その役割から逃れるため御霊石を壊そうとする。だが、健人がピッケルで石を壊そうとした瞬間、物陰からあらわれた鬼太郎が13年前に起きた祟りのことを語り始めた。
実は健人は7歳のときに重病にかかったが、高額な薬が購入できず生死の境をさまよったことがあった。そこにタイミングよくあらわれたのが、若くして巨万の富を得た青年2人組。2人は祟りがあるという石に興味を抱き、薬代の1000万円を支払うという条件で山に入り、御霊石と写真を撮っただけでなく、御霊石の一部を破壊して持ち帰ってしまった。
祟りは本当に起き、孫の薬代のために若者たちを山に入れてしまった、健人の祖父は死去。金持ち2人組のかたわれは数日後に小指を無くし、左耳をなくし、右目をなくし、最後には全身が溶けて行方不明に。もう一方の男は再び山に登り御霊石と対峙するが、全身がドロドロと溶け出し、最後は山の中に沈んでいってしまう。そうした御霊石の祟りの真実を鬼太郎から聞いた健人だったが、一向に信じず、石を破壊しようとして……。
オープニングからラストまで、ホラーテイスト満載だったこの日の『ゲゲゲの鬼太郎』。視聴者の評判も良く、放送後には「朝からエグいもんを見た!」「これは子どもはかなりビビったのでは」「下手な心霊番組やホラーよりよっぽど怖い」といった声が上がった。
また、体のパーツが次々と溶けていってしまう描写は、現代のコンプライアンスにあわせてか影がかけられていたが、それでも高評価が続出。「ニチアサの時間帯でどこまで描けるのか……と思ってたけど黒塗りが多いとはいえ中々頑張ってたんじゃないかな」「体がボコッとなる描写はさすがに直接はできなかったか。でもかなり怖かった!」「黒塗りも逆に想像をかきたてられて怖いものがある」といった感想が上がった。
「今回放送されたエピソードは、水木しげる氏によるわずか8ページほどの短編漫画が原作です。短いながらも、目の玉がボコりと抜け落ち、次々と人間の体が腐り落ちていくという描写が読者に恐怖を与え、水木氏の大ファンでもある作家の京極夏彦氏も選集『ゲゲゲの素』(徳間書店)でこのエピソードを選んでいます。今回、伝説のトラウマ回をオンエアするにあたり、公式ツイッターは“2期の中でも特に怖いと言われる『足跡の怪』に6期が挑戦!”と意気込んでいましたが、久々のリメイクは大成功だったのではないでしょうか」(アニメライター)
9月1日のアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』は、「唐傘の傘わずらい」を放送する。