6月19日に発売された『週刊少年マガジン』(講談社)で、堀内厚徳氏による水墨画をテーマとした新感覚マンガ『線は、僕を描く』が連載スタート。異色の表現に読者から、「神マンガの予感がする」と絶賛が続出している。
同作は、京極夏彦氏、西尾維新氏らを輩出した「第59回メフィスト賞」を受賞した砥上裕將氏による同名小説のコミカライズ作品。第1話は主人公の大学生・青山霜介がアルバイトのために訪れた展覧会で、謎めいた老人から声をかけられる場面から始まる。展覧会を一緒に見て回る2人だが、実はその老人は水墨画の巨匠・篠田湖山。偶然の出会いをきっかけに、まったくの素人だった霜介は水墨画の世界に魅入られていく。
原作を務める砥上裕將氏は水墨画家でもあり、作中では砥上氏による水墨画も登場。霜介がそうした作品を鑑賞して余白の部分に“風”を感じる場面など、水墨画の魅力が実感を込めて表現されている。
マンガと水墨画という未曽有の組み合わせに、ネット上では「まだ第1話だけど毎週期待して読むこと決定! 物語の世界に引き込まれた」「絵が綺麗で読みやすいし、中に出てくる水墨画も素敵」「一つひとつのセリフがとても優しくて、疲れた心に効きました」「奇跡的な出会いみたいなスタートは珍しくないけど、全然嫌味を感じなかった。水墨画ってテーマも斬新で気になる」といった反響が続出。
また「これからの展開によっては『ちはやふる』に並ぶぐらいの作品になるかもしれない」「『線は、僕を描く』を読んで、初めて『ガラスの仮面』と出会ったときと同じような気持ちになった」と、早くも名作マンガの風格を感じとっている読者が多くいるようだ。
「最近の『週刊少年マガジン』ではファッションを題材とした『ランウェイで笑って』や川柳を扱う『川柳少女』など、斬新な切り口の作品が多く連載されています。水墨画というテーマもそうですが、読者にとってなじみが薄い世界を描くことで興味を抱かせる狙いがあるのでしょう。編集部にはすでにヒット作の方程式が見えているのかもしれませんね」(アニメ誌ライター)
砥上裕將氏による原作小説も6月27日に発売されるので、気になる人はコミカライズと合わせてチェックしてみるのもいいかもしれない。