昨年、大きな熱狂を呼んだドラマ『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系/以下『めおと日和』)が続編として帰ってくる!
本作は、昭和11年を舞台に、交際ゼロ日婚からスタートする夫婦の甘酸っぱい時間を丁寧に描いたハートフル・昭和新婚ラブコメ。続編である今作は、昭和12年、結婚2年目を迎えたふたりを描く。
正直なところ、筆者は前作のドラマがスタートするまで、ここまでヒットするとは思っていなかった(ドラマライターとしてあるまじき節穴っぷり)。ところが、いざ観てみるとまんまと、どハマり。大河ドラマを継続視聴するのが大の苦手で、朝ドラも現代もの以外は途中離脱してしまうことが多い……“時代ものが苦手なわたし”が、だ。
では、なぜそんなわたしが、ここまで『めおと日和』にハマったのか。その理由は、“昭和”という時代設定に、むしろあったように思う。
※本記事には作品の内容を含みます
『めおと日和』は、誤解を恐れずに言えば、“脳カラドラマ”(脳カラ=脳みそを空っぽにして、見ることができるドラマ)だ。もちろん、これは最大級の褒め言葉である。
仕事柄もあってか、脳カラで観られるドラマは本当に少ない。ラブコメを観ていても、「これは社会に対するメッセージなのかもしれない」とかいちいち考えてしまって、疲れることもある。実際、近年のドラマは 『西園寺さんは家事をしない』や『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(ともにTBS系)など、ラブコメの衣をまといながら、社会的なテーマに切り込む作品が多い気がする。
一方の『めおと日和』は、夫が外で稼ぎ、妻が家を守るのが当たり前とされていた昭和の物語だからこそ、現代のラブコメだったらついつい考えすぎてしまうようなことを、いったん脇に置いておける。余計なことを考えずに、ただなつ美(芳根京子)と瀧昌(本田響矢)の“うぶキュン”に身を委ねていればいい。このストレスフリーな視聴体験が、想像以上に心地よかった。
■本田響矢のすごさは“顔”で演じることができること!?
さて、ここからは瀧昌を演じた本田響矢について語らせてほしい。
筆者が、瀧昌に心を奪われたのは、第1話(いや、早すぎる)。寝落ちしてしまったなつ美を起こさないように座布団の上に寝かせてあげようとするシーン。なつ美を寝かせる前に座布団のほこりをササッと払った瀧昌に、キュン死した。しかも、寝ているなつ美を愛おしそうに見つめる瀧昌(いや、本田響矢)の顔が良すぎる。
そう、本田はとにかく顔で語ることができる俳優なのだ。だから、口数が少ない瀧昌を演じていても、間が持つ。
それだけでなく、なつ美への「好き」を表情からダダ漏れさせるのが抜群にうまい。しかも、その芝居があまりにも自然なので、「本当に恋してる……?」というような錯覚に陥ってしまう。そうなってくると、こちらも、一歩引いて眺めることができなくなり、気づけばふたりのすぐそばで、ふたりの恋路を見守っているような気持ちにさせられる。
和久井映見演じる郁子さん(瀧昌がお世話になっている上官の妻)に感情移入しまくったのは、わたしだけでしょうか……?
ただ、『めおと日和』に出演した当時の本田は、そこまで知名度が高い俳優というわけではなかった。いわゆる“大抜てき”にあたるのかもしれない。かつては、映画『ウォーターボーイズ』で主演に大抜てきされブレイクした妻夫木聡のように、まだ広く知られていない若手俳優を大役に起用して、スター誕生の瞬間を見届ける──なんてシンデレラストーリーも珍しくなかった。
しかし、近年は朝ドラのヒロインですら、すでにある程度の実績を積んだ俳優が起用されている。そんなふうに手堅いキャスティングが増えてきたなか、本田のようなまだ見ぬスターに大役を託し、実際に大ブレイクへと導いた『めおと日和』には、忘れかけていたテレビならではの“夢”を見せてもらった気がする。
■もちろん安定感抜群な主演・芳根京子
そんなスター誕生の瞬間を支えた主演・芳根京子の功績も忘れてはならない。なつ美はピュアピュアな“THEいい子”なので、ともすればあざとく見えてしまう可能性もある。しかし、芳根が演じると不思議とそうならない。彼女と同い年のわたしでさえも、「こんな子を娘にほしい……!」と思うほど。
『めおと日和』のピュアで甘酸っぱい空気感を生み出した立役者は、間違いなく彼女である。本田がのびのびと瀧昌を演じることができたのも、真ん中に立つ芳根の安定感があってこそだったのではないだろうか。
前作のあと、芳根も本田もそれぞれ別の作品で経験を重ねてきた。そんなふたりが時を経て、ふたたびなつ美と瀧昌として顔を合わせる──。前作の時点であれほど息ぴったりだったふたりが、今回はどんな“めおと”を見せてくれるのか。期待せずにはいられない!
『波うららかに、めおと日和』原作漫画をAmazonでチェック



