宇内梨沙が訊く『サイレントヒル f』、竜騎士07作品だから描けた「画期的テーマ」と「女性主人公・雛子」【宇内梨沙「ひねもすぬまりぬまりかな」】の画像
写真/有坂政晴

 今回の『宇内梨沙「ひねもすぬまりぬまりかな」』は特別編! 宇内さんが、発売1周年を迎えた大ヒット作『SILENT HILL f(サイレントヒル f)』コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)の岡本基プロデューサーを直撃! 複数の結末が存在する本作を、トゥルーエンドまで遊び尽くした宇内さんだからこそ聞ける「ネタバレ上等」の質問をたっぷりぶつけます。作品愛に満ちたディープなトーク「宇内が訊く!」をお楽しみください!!

【第2回/第4回】

※本記事は『サイレントヒル f』の核心部分の内容を含みます。

【ゲスト】
コナミデジタルエンタテインメント
「サイレントヒル」シリーズプロデューサー・岡本基氏

KONAMI岡本基氏 写真/有坂政晴

■『サイレントヒル f』のテーマは「結婚」

宇内梨沙(以下、宇内):発売当初は語れなかったけれど、発売から1年が経った今だからこそ語ることができるお話はありますか?

岡本基プロデューサー(以下、岡本):ゲームの出発点は「結婚」というテーマだったのですが、竜騎士07さんはそのことを事前にバラしたくないという思いをお持ちだったんです。もちろんゲームをプレイしていたら、プレイヤーのみなさんも「結婚」を描いているんだとストーリーの途中で気付くと思うんですが、発売前はなるべく隠したいと思っていました。

宇内:私、今日パッケージを持ってきたんですけど、たしかにパッケージには具体的なあらすじが書かれていません。ホームページに書かれているあらすじを読んでも、物語がよくわからないようになっていたんですね。

岡本:隠さなくちゃいけないことがいくつかあったので、曖昧な感じになっていると思います。竜騎士07さんの作品は「考察の楽しさ」がある作品なので、マーケティングチームがトレーラー(予告編動画)を作るときも、どこまで情報を出すのかをかなり吟味していました。その結果、ちょっとあいまいな表現をしているところもあったと思います。

宇内:具体的な情報を明かさないことに宣伝としてのリスクは感じませんでしたか。

岡本:竜騎士07さんのファンには考察好きの方がかなり多くいらっしゃるので、考察しながら楽しんでいただく作品として日本では受け入れてもらえるのではないかと、ある程度の自信を持って進めることができました。

宇内:海外には「サイレントヒル」シリーズの根強いファンも多いと聞きますが、海外での反応はいかがでしたか。

岡本:思ったよりも刺さったという感じですね。正直、最初はどんな反応があるのかわからなかったことがあるんです。海外のメディアから取材を受けたときに「今回はフェミニズム的な視点も含まれている作品だ」という言い方をしたこともありました。そういう視点で興味を持ってくださった方もいると思います。

宇内:海外では、内容に踏み込んだアプローチもされていたんですね。実際に『サイレントヒル f』をリリースしてみて、「結婚」というテーマの手ごたえはいかがでしたか。

岡本:「結婚」というテーマを描くうえで、竜騎士07さんとは「価値観を押し付けるものにしてはいけない」と話をしていきました。だから、エンディングもいくつかのパターンを用意して、どれが正しいというような描き方はしないようにしています。

宇内:次は雛子という主人公について、お伺いします。高校生の雛子に、いろいろな設定を盛り込んでいったのはどういうきっかけがあったのでしょうか。

岡本:1周プレイした人にはお話をしていいと思うんですが、雛子は正確に言うと、成人しています。実は竜騎士07さんと、ゲームのレーティング(年齢区分制度)を考えたとき、雛子をピュアな高校生とする設定は難しいかもしれないと、話したことがありました。そこで「結婚」がテーマだからこそ、ゲーム内では描かれない雛子を成人女性にすることになったんです。ただ、雛子の精神としては高校生。僕としては、竜騎士07さんが作品を作るときは、登場人物が高校生ぐらいが書きやすいんだろうなと思っていたので、良いバランスになったと思っています。

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