■予測不能のギャグと人間ドラマ『チー付与』
3作目は、『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。』、通称『チー付与』。六志麻あささんの小説をもとに、業務用餅さんが漫画を手がけた作品で、今回アニメ化されるのは漫画版である。
主人公のレイン・ガーランドは、武器や防具などに「強化ポイント」を付与できる魔術師。その後、所属していたギルドを追放され、新たなギルドで活動を始めることになる。だが、レインは深刻な状況でもボケや奇行を繰り返す変人で、彼による怒涛のギャグ描写が展開される。
一方、同作は登場人物が挫折から立ち直っていく過程もしっかり描かれる王道冒険ファンタジーの側面も持つ。原作小説を手がけた六志麻さんは公式サイト内にて、漫画と小説の内容は「99割程度違う」と表現しており、予測できない展開が楽しみな1作だ。
なお、Webメディア「マンバ通信」に掲載された担当編集者のインタビューによると、原作第1巻の売り上げ次第では早期終了の可能性があったという。熱心な読者に支えられて重版が決まり、打ち切りを回避できたと明かしていた。
SNSではアニメ化に際し「これは視聴確定」「楽しみすぎるだろいいかげんにしろ!」「生きててよかったです」といった声があがるなど、放送を待ちきれないファンの様子が伝わってくる。
声優としてレイン役の山下大輝さんに加え、暗殺者「暗殺の母」役として柴田理恵さんまで出演。個性的なキャラクター同士の会話が、どのようなテンポを生み出すのかも注目だ。
■魔王を倒しても、戦いは終わらない『ロメリア戦記』
最後は、有山リョウさんの小説『ロメリア戦記~魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織した~』を原作とする『ロメリア戦記』。「小説家になろう」から生まれ、上戸亮さんによる漫画版も展開されているファンタジー作品だ。
主人公である伯爵令嬢のロメリア・フォン・グラハムは、婚約者のアンリ王子らとともに魔王討伐の旅に出るが、目的を果たした直後に王子から婚約破棄を告げられてしまう。だが、魔王を倒しても各地に魔王軍は残り、国土は荒れて暮らしも元には戻らなかった。ロメリアはその現実を前に、故郷を救うために行動を起こす。
幸運を授ける「恩寵(おんちょう)」という力を駆使するロメリアは、人々を救うために辺境の地で新兵を鍛え、商人と交渉し、軍隊を組織していく。魔王討伐の華々しい結末ではなく本格的な戦記譚が描かれ、ロメリアがどのように周囲の信頼を得ていくのかという成長過程も見逃せない。
10月放送開始の本作だが、すでに2クールでの放送が発表された。YouTubeのアニメ公式PVにも期待の声が集まっており、「2クールは嬉しすぎる」「作画めっちゃ綺麗!」「今期一番期待してる」と、ファンからの喜びの声があふれていた。
軍を率いるロメリアと、彼女を支える騎士たちの再起がどのように描かれるのか。新たな世界を作る戦後のストーリーを心待ちにしたい。
さまざまなジャンルの期待作が並ぶ秋アニメ。原作ファンはもちろんだが、新たに夢中になれる作品を探している人にもオススメの作品ばかりだ。ぜひ、秋アニメの視聴候補に加えてみてはいかがだろうか。


