■人類が灼熱地獄に堕とされる!? 地球を丸々と暗闇で覆い尽くした「ムルロア」

 地球上から光を奪い、人類を絶滅させようとした怪獣もいた。それが1973年放送の『ウルトラマンタロウ』の第24話「これがウルトラの国だ!」と、第25話「燃えろ! ウルトラ6兄弟」に登場した宇宙大怪獣「ムルロア」だ。

 ヨーロッパ某国が実施した軍事実験によって、故郷のムルロア星を破壊されたムルロアは、その復讐のために宇宙蛾「スペースモス」を引き連れて地球に飛来。旅客機を撃墜したのち、コンビナートで暴れ回る。

 ウルトラマンタロウとの戦闘では、毒性のある黒煙「アトミック・フォッグ」を体中から噴出。戦いで傷を負ったタロウは一時撤退する。

 光を嫌うムルロアの発したアトミック・フォッグはどんどん広がり、地球は暗闇に閉ざされる。東京では電力使用制限令が敷かれ、水や食料が不足して大混乱に陥る。

 地球全土が光を通さない闇に包まれたことで熱の逃げ場がなくなり、このままでは地球上が異常な高温状態になって人類が死滅する危機が迫っていた。

 この状況を打開するため、ウルトラの母の助言を受けたタロウはウルトラの国へ。ウルトラ兄弟の協力を得たタロウは、宇宙の平和を作り出す「ウルトラベル」を入手し、地球へと急ぐ。その後、ウルトラベルの効果で闇は取り除かれた。

 そしてムルロアは、宇宙科学警備隊「ZAT」が新開発した水爆の3倍の破壊力があるという爆弾「AZ1974」を頭に取りつけられ、タロウに空へ放り投げられて爆発した。

 ウルトラベルとAZ1974という秘密兵器がなければ、闇に覆われたまま地球人類は死滅していたと考えると、ゾッとするエピソードである。


 ウルトラ兄弟の奮闘を見ていると、局地的な戦闘シーンに目が行きがちだが、実は地球規模の危機が何度も訪れていた。時には人類滅亡の可能性も十分ありえただけに、ほんの紙一重のところで救われてきたことにあらためて驚かされる。

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