■かわいい絵柄で描かれる、笑えない大損失『FX戦士くるみちゃん』
続いては、でむにゃんさん、炭酸だいすきさんによる『FX戦士くるみちゃん』。『コミックフラッパー』(KADOKAWA)で連載されている、FX(外国為替証拠金取引)を題材にした漫画が原作となったアニメだ。
主人公の女子大生・福賀くるみは、亡き母がFXで失った2000万円を取り戻すため、自身もFX取引を始めることになる。勉強熱心で分析力にも自信を持つくるみだが、相場が思惑と違う動きをするとむちゃな取引をしてしまい、みるみる減っていく資産を前に、いつもの判断力を失ってしまう。
周りに集まる投資仲間も個性が強く、追い詰められて奨学金にまで手を出そうとする人物や、過去に大きな損失を経験した人物なども登場。かわいらしいキャラクターデザインと、YouTubeで公開されたゆるふわなPVとは裏腹に、お金にまつわる天国と地獄が生々しく描かれる。直接的な残酷描写こそないが、お金が絡むリアルな展開は、間違いなく「グロテスク」な作品といえるだろう。
アニメ化発表時には、くるみがFXを楽しむ「通常版」と、多額の損失に絶望する「強制ロスカット版」のティザービジュアルを同時公開。YouTubeの予告PVにも「なんでこれアニメにするんだよw」「今年一番のホラーアニメ」「予告でも心臓がきゅっとなる」と、その作風ゆえの心配を口にするファンの声が多数寄せられていた。
人生を左右しかねないFX取引の緊張感が、アニメではどのように表現されるのか。気軽に視聴するつもりが、くるみたちに感情移入して一緒に青ざめてしまうかもしれない。
■気ままな冒険のはずが、半グレとの抗争へ!?『チー付与』
最後は、『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。』、通称『チー付与』を紹介する。六志麻あささんの小説をもとに、業務用餅さんが漫画を手がけた作品で、今回アニメ化されるのは漫画版である。
主人公のレイン・ガーランドは、武器や防具などに「強化ポイント」を付与できる魔術師。所属していたギルドを追放され、新たなギルドで活動を始めるという「追放モノ」特有の導入だが、レインは深刻な場面でも奇行やボケを繰り返す変人である。犬のまねをしたり、急に全裸になったりと、冒険とは関係のない行動で周囲を困惑させるのだ。
また、ふざけた描写が続く一方、半グレ集団との抗争や、仲間を失った過去を持つ人物の葛藤など、登場人物の挫折や再起も丁寧に描かれる。ギャグ・バイオレンス・シリアスが交互に押し寄せるジェットコースターのような作風ゆえに、ときに「カオス作品」と呼ばれるのも納得だ。
なお本作にはタレントの柴田理恵さんも出演しており、YouTubeで公開されたPVでは柴田理恵さん演じる「暗殺の母」の声に、視聴者から「アフレコ上手くて草」「声ピッタリ!」といった反響があった。
さらに、原作でも有名な「はっやっくっ 振っれっよォォォオオオオ〜〜〜〜ッ!!!!!!」のシーンもPV内で表現されており、「原作再現助かる」「理想的すぎ」「これは視聴確定」と、期待の声も多数寄せられている。
ギャグとシリアスな展開が入り交じる独特の面白さが、どのように映像化されるのか最後まで見届けたい。
それぞれ異色の作風で、いろんな意味で注目を集めている3作品。原作の異質な雰囲気が、アニメになったらどうなってしまうのかは実際に視聴するまで分からない。放送後はきっとSNSでも話題になりそうな作品ばかりなので、放送開始を楽しみに待とう。


