■二度の死線をくぐり抜けて生き残った元プロヒーロー「レディ・ナガン」

 次に紹介するのは「ライフル」の個性を持ち、狙撃を得意とするレディ・ナガンだ。公安直属の元ヒーローで汚れ仕事を担っていたが、社会の闇に耐えきれず上司である公安委員長を殺害したことで、特殊拘置所・タルタロスへ収監されていた人物である。

 そんな彼女に目をつけたのが、ヴィラン連合のブレーンかつ実質的な支配者であるオール・フォー・ワン(以下、AFO)だ。「ヒーロー社会の破滅」を望んでいたナガンはAFOの誘いを受けてヴィラン側に協力し、緑谷を生け捕りにして連れてくるよう命じられる。

 しかし人々を救うために必死に戦う緑谷の姿を見て、彼女はかつて抱いていたヒーローとしての意識を取り戻し始める。その直後、ナガンの心変わりを警戒していたAFOによって、彼女の体が大爆発を起こした。

 セントラル病院に運ばれた後、安否不明のままだったナガンだが、死柄木と死闘を繰り広げる緑谷を狙撃でサポートする活躍を見せる。このとき絶対安静で無理に動けば生死にかかわる状態のなか大量の血を流していたため、彼女の安否が心配された。だがコミックスの最終巻では、収監施設でホークスと会話する姿が描かれ、彼女が生き延びたことが確認できる。

 大爆発と大出血しながらの狙撃、二度の死線をくぐり抜けて生き残ったナガン。敵として登場した彼女だが、最後はヒーローとして力を貸す姿に、ファンからも歓喜の声が上がったのである。

■心停止の絶望的状況から生還した爆豪勝己にファン歓喜!

 ヴィランとの戦いの最終局面で、敵のリーダーである死柄木弔(しがらき とむら)と対峙した爆豪勝己。緑谷と幼なじみの爆豪は死柄木から執拗に狙われ、相手の攻撃で心臓に大きなダメージを受ける。

 走馬灯のような演出があり、大量の血を流して完全に息絶えたように見えた爆豪の姿にショックを受けた読者も多かっただろう。しかし、忍者のような姿をしたプロヒーロー・エッジショットは、爆豪の命を諦めていなかった。

 彼は肉体を紙のように細く伸ばす個性「紙肢」によって爆豪の体内に侵入すると、体を修復するとともに心肺活動の補助も行う。エッジショットは自らの命をも危険にさらしながら、「俺がこの子の心臓になる!!」と覚悟を決めた。

 その命がけの救命措置が功を奏し、さらに爆豪自身の個性「爆破」が引き金となって、止まっていた心臓がついに動き始める。若いヒーローを救うというエッジショットの強い決意によって起こった爆豪の奇跡的な生還劇は、多くの読者に大きな感動をもたらした。

 なおアニメの第7期は爆豪が心肺停止状態のまま放送終了したため、アニメ勢から心配の声が上がったが、約1年半後の第8期(ファイナルシーズン)で復活した爆豪に、「エッジショットありがとう」「かっちゃん復活で泣いた」といった歓喜の声があふれた。

 死んだと思われた爆豪が再び立ち上がり、戦場に駆けつける展開はまさに圧巻。さらに復活後の爆豪がずっと憧れていたヒーロー・オールマイトを救出する姿は、読者の胸を熱くさせる作中屈指の名シーンとなった。

 

 今回紹介した3人の復活劇は、いずれも単なる「死からの復活」ではなく、それぞれのキャラクターが積み重ねてきた思いや仲間との絆があったからこそ実現した奇跡でもあった。だからこそ、長い戦いを見届けてきたファンの心に残る名場面となったのだろう。

 

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