■不良中学生「浦飯幽助」と着物お姉さん「ぼたん」の霊界コンビ
1990年から連載された冨樫義博さんによるマンガ『幽☆遊☆白書』は、不良中学生・浦飯幽助が一度死んだことをきっかけに、霊界探偵として妖怪や霊に関わる事件へ挑んでいく物語だ。そのなかで強い絆を見せてくれたのが、幽助とぼたんのコンビだ。
霊界案内人のぼたんは、死んだ幽助が生き返るためのサポートをする役割を担う。幽助の助手として任務や霊界のルールを説明し、妖気を探知したり霊丸の威力を高めたりできる「霊界探偵七つ道具」を渡したりと手助けした。
盗まれた三大秘宝を取り戻すミッションでの魔界の盗賊・飛影との戦いでは、幽助の幼なじみ・雪村螢子が妖怪化させられそうになるのを、心霊医術を使って食い止める大活躍を見せた。
強い正義感の持ち主ながら粗暴で周りから怖がられる幽助と、少々おっちょこちょいなものの明るく親しみやすいぼたんは相性抜群。無鉄砲な幽助がむちゃしようとするとぼたんが止め、ピンチに陥ったときは叱咤激励して背中を押す。幽助と螢子の恋愛事情については、茶化しながらも優しく見守るお姉さん的なポジションだった。
幽助にとってぼたんは自分のことを理解して陰ながらサポートしてくれる仲間であり、ぼたんにとって幽助は仲間想いの頼もしいパートナーだといえるだろう。
■相性最悪から最高のバディになった「デンジ」と「パワー」
最後に紹介するのは、藤本タツキさんの『チェンソーマン』より、主人公・デンジと、血の魔人・パワーのコンビだ。
同作はチェンソーの悪魔・ポチタと契約した少年デンジが「チェンソーマン」となり、公安所属のデビルハンターとして悪魔と戦う物語。主人公のデンジは貧しい生活を送ってきた影響もあって、欲望に忠実で単純な性格だ。一方のパワーは自分勝手な性格で、触るものをみな傷つけるほどの暴走を見せるタイプだ。
出会った時から折り合いの悪かった二人だったが、俗物的な欲を持つデンジに対し、パワーは愛猫のニャーコを助けてくれれば胸を揉ませてやると提案する。しかしパワーはデンジを罠にはめ、愛猫を助けるため彼を悪魔に差し出そうとした。
この出会いから、互いに「ぜってぇ~仲良くなれねえなコイツ」と感じており、相性最悪の関係からスタートする。ところが、早川アキも含めた同居生活や、デビルハンターとしての危険な任務、岸辺を倒すためのインテリ作戦などを経て、二人の間には少しずつ信頼関係が生まれていく。
特にコミックス第8巻に登場した「闇の悪魔」への恐怖から、パワーは幼児退行してしまうが、デンジはそんな彼女を献身的に寄り添ってサポートする。裸でお風呂に入っても一切欲情することはなく、お互いにかけがえのない存在となっていった。
ケンカできる家族であり、命を預け合える戦友でもある二人。最悪の出会いから始まった二人だからこそ、その絆の尊さが際立って見えるのだろう。
恋人関係ではないからこそ築くことができる強固な絆。リアルの世界で「男女の友情は成立するのか」というのは永遠のテーマでもあるが、ジャンプ作品に描かれた男女コンビの姿こそが、その答えなのかもしれない。


