■キャンベル大佐と思われたが…?『メタルギアソリッド2』

 『メタルギアソリッド2(METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY)』の主人公の1人・雷電をナノマシン越しにサポートしてくれるのが、前作『メタルギアソリッド』にも登場したロイ・キャンベル大佐……と思われていたが、実はキャンベル本人ではない。アーセナルギア内部を制御するAIの「G.W.」が雷電のナノマシンを介して脳に干渉し、雷電自身の期待や経験から形作られた“大佐”だった。

 そしてこのAIは、物語終盤に差しかかるとウイルスに感染し、「雷電、今すぐにゲーム機の電源を切るんだ!」「しかし、ずいぶん長い間ゲームしてるな。他にすることはないのか? まったく……」など、支離滅裂なメタ発言を繰り返すようになる。

 大佐の言葉に従ってPS2の電源を切ってしまった人や「ゲームは1日1時間」という高橋名人の名言を思い出してしまったプレイヤーも少なくはないのではないだろうか。

 さらにこちらから大佐に連絡すると、能勢電鉄の駅名を早口で読み上げたり、自分の前世について語ったりと、奇妙な一面を見せてくれるのだ。

■BGMの聞こえない大自然の中で戦うジ・エンド戦『メタルギアソリッド3』

 『メタルギアソリッド3(METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER)』の「ジ・エンド」は、超人的な能力を持つ兵士で構成された“コブラ部隊”の一員。100歳を超える老兵ながら卓越した狙撃技術を有し、ふだんは仮死状態になることで体力を温存している。作中ではジャングルを舞台に、主人公ネイキッド・スネークと姿を隠しながら遠距離から狙撃し合うことになる。

 ジ・エンドの居場所を探る際は、周囲の音に耳を澄ませることも有効だ。通常のボス戦のような派手なBGMを前面に出さず、環境音やジ・エンドの発する音を際立たせていたのは、作り手側の気づかいだったのかもしれない。やみくもに攻撃するのではなく、さまざまな手がかりを頼りに相手を探すという、これまでのボス戦とはひと味違う緊張感が味わえた。

 また、広大な森林地帯で正面から狙撃戦を行う以外にも、ジ・エンドに勝つ方法が2つ用意されている。1つは、あるイベントの直後、車いすで運ばれるジ・エンドを遠距離から狙撃し、その場で倒してしまう方法だ。

 そしてもう1つは、ジ・エンド戦の開始後にゲームをセーブして中断し、8日以上が経過した状態で再開すること。これでゲームを再開するとジ・エンドを老衰死させることができ、戦わずに勝利となるのだ。

 もちろん、これは正攻法の勝利とは言いがたく、「どうか最後の獲物を倒すまでの余命をください」と祈っていたジ・エンドに申し訳なさを感じてしまうはずだ。

 

 このように小島秀夫監督が『メタルギア』シリーズに盛り込んだ斬新なアイデアの数々は、ゲームの枠を飛び越えた画期的なものばかりだ。そんな自由な発想に魅了されたからこそ、『メタルギア』シリーズは長年愛され続けているのかもしれない。

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3