小島秀夫監督が手がけた人気ゲーム『メタルギア』シリーズ。戦争や核兵器、国際情勢などを題材にした重厚な物語は日本だけでなく、世界中のゲームファンを魅了。「敵を倒す」のではなく「敵に見つからない」ことを重視した独創的なゲームシステムや、ゲームの常識そのものをくつがえすような斬新な演出など、ユニークな発想が多数盛り込まれている。
2026年8月には『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS』などを収録した『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.2』が発売され、これまでのシリーズの歴史を振り返る機会が再び訪れた。
今回は、その『メタルギアソリッド』シリーズに登場した、小島監督ならではの「画期的なアイデア」の数々を振り返りたい。
※本記事には、ゲーム『メタルギアソリッド』シリーズの核心的な内容が含まれています。
■小島監督も出演したサイコ・マンティス戦『メタルギアソリッド』
『メタルギアソリッド(METAL GEAR SOLID)』の序盤に登場するボス「サイコ・マンティス」は、リキッド・スネーク率いる特殊部隊“FOXHOUND”の一員。リキッドが引き起こした武装蜂起に加わり、シャドー・モセス島の核兵器廃棄施設を占拠していた人物だが、読心能力やサイコキネシスを駆使した彼との戦いでは、プレイヤーの想像を超える驚きの演出が待ち受けていた。
サイコ・マンティスは、それまでのセーブ回数やプレイ傾向を分析して言い当てるだけでなく、振動機能のついたコントローラー「DUALSHOCK」を床に置くよう促し、振動によってコントローラーを動かしてみせた。
さらに初代PlayStation版では、メモリーカードに『ポリスノーツ』と『スナッチャー』双方のセーブデータがあると、「小島作品が好きなようだな」と見抜いた後、小島監督本人による「いつも応援してくれてありがとう……」という音声まで流れるのだ。
また、戦闘中には「ブラックアウト!」の声とともに画面を暗転させ、テレビの入力表示を模して画面右上に「ヒデオ」と表示するなど、プレイヤーを戸惑わせるギミックが次々と繰り出される。
そしてサイコ・マンティスは読心術に長けているため、こちらからの攻撃はほとんど当たらない。しかし初代PlayStation版では、コントローラーをポート1からポート2へ差し替えることで読心を防ぐことができ、サイコ・マンティスは「なぜだ!! 貴様の心が読めない!!」と戸惑うのだ。
通常、ボス戦はゲーム内で完結するのが当たり前だが、ゲーム機やコントローラーなどのゲーム外に及ぶ仕掛けまで用意していたのが斬新で、極めて異例の攻略法だった。


