なぜ鉄郎はメーテルと別れたのか…『銀河鉄道999』原作・アニメ・劇場版それぞれの最終回で描かれた真実の画像
[Blu-ray]『銀河鉄道999』(東映アニメーション・東映ビデオ)/(C)松本零士・東映アニメーション

 松本零士さんの『銀河鉄道999』は、主人公の少年・星野鉄郎が謎の美女メーテルとともに、銀河超特急999号に乗って宇宙を旅する壮大なSF物語である。鉄郎は機械の体を手に入れるため長く過酷な旅に出るが、その旅の最後に鉄郎は、メーテルとの切ない“別れ”を迎えることになるのだ。

 この物語の結末は、原作漫画、テレビアニメ、そして劇場版でそれぞれ異なる展開を迎える。別れの展開や終着駅、メーテルの正体に関する描写もメディアごとに違いがあった。

 そこで今回は、それぞれのメディアで描かれた『銀河鉄道999』の最終回の違いについて迫りたい。

 

※本記事には作品の核心部分の内容を含みます。

 

■原作漫画の最終回:まためぐりあいましょう…再会を誓い、1人列車に乗る鉄郎

 原作漫画の最終回「終着駅」では、鉄郎とメーテルが機械化世界の首都である「惑星大アンドロメダ」に到着する。そこで鉄郎はメーテルの母親である、女王プロメシュームの命令によって“ネジの体”にされそうになる。しかし、かつて鉄郎が助けたガラスのクレアの母親・メノウの機転により、その危機を脱することができた。

 一方、メーテルは肉体をペンダントに変えられながらも生きていた父親、ドクター・バンの計画とともに、惑星の中心部である「るつぼ」を破壊。これにより、惑星大アンドロメダは崩壊へと向かう。

 その後、メーテルは鉄郎に裸体をさらして自分の正体を明かそうとするが、鉄郎はその姿を見ることを拒む。するとメーテルは鉄郎に感謝を伝え、「遠く時の輪の接する所で…… まためぐり会いましょう」という再会の言葉を残し、鉄郎だけを999号に乗せて地球へと帰還させたのである。

 こうしてメーテルは、崩壊して暗黒の墓場へと向かう惑星大アンドロメダと運命をともにすることを選んだ。

 彼女が永遠の眠りについたのか、本当の正体は何だったのか——その後の行方もはっきり明かされず、多くの謎が残されたまま物語は幕を閉じた。

 それでもメーテルは、「まためぐり会いましょう」という言葉を鉄郎に残しており、切ない別れの中に再会への一縷の望みを抱かせる結末だった。

■テレビアニメ版の最終回:「青春の幻影」として…メーテルが新たな少年と旅立つラスト

 テレビアニメ版の最終回は、原作漫画の連載終了前に放送されたため、漫画とはやや異なるアニメ独自の結末を迎えた。

 アニメの最終話「青春の幻影 さらば999」において、終着駅「惑星プロメシューム」に到着した鉄郎は、最終的に機械の体を拒絶して生身の体のままでいることを選ぶ。その決断に激怒した女王プロメシュームは鉄郎を亡き者にしようとするが、メーテルは実の母親である女王を手にかけることができず、親子としての情に葛藤する姿が描かれる。

 最終的にメーテルは、父のペンダントを地下動力炉に落とし、大爆発を引き起こした結果、女王プロメシュームは炎に包まれる。こうして機械帝国は崩壊、2人は999号で「惑星こうもり」へと脱出するが、ここでメーテルは成長した鉄郎のもとを離れることを決断。鉄郎に別れの手紙を渡すのである。

 鉄郎と別れたメーテルは別の列車に乗り換え、鉄郎が乗る999号とは違う方向へと旅立っていく。メーテルの前には、鉄郎に代わる“新たな少年のシルエット”が映し出され、彼女の旅がまだ続くことを示唆していた。

 テレビアニメ版におけるメーテルは、惑星プロメシュームに残るのではなく、次なる少年を導くために新たな旅に出発したのが印象的だ。別々の列車に乗った鉄郎とメーテルは涙を流すが、途中で鉄郎は涙を拭い「さようならメーテル!さようなら」と叫んでいる。

 メーテルとの旅が、鉄郎を少年から一人前の青年へと立派に成長させたことが伝わってくる結末だった。

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