■たった2か月で柱に…異次元の領域「剣技の才能」

 そして、柱たちの中でも“天才剣士”と明確に断言されているのが、霞柱・時透無一郎である。

 彼は初めて刀を握ってから、たった2か月という驚異的なスピードで柱にまで上り詰めた。主人公・竈門炭治郎が最終選別を受けるまでに育手・鱗滝左近次のもとで2年もの間、修行に時間を費やしたことを考えると、いかに異例のことか分かるだろう。

 公式ファンブックで明かされた「腕相撲番付」は7位、「俊足番付」も8位のため、柱の中での身体能力はそこまで秀でているわけではない。しかし、彼は鬼殺隊最年少の14歳であり、肉体的にはまだまだ発展途上にある。これからさらに成長して強くなることを考えると、もはや伸びしろしかない。

 もちろん、彼自身も血反吐を吐くような努力を重ねており、柱になってからも日々の修練を怠っていない。しかし彼の根幹には、他者がどうあがいても追いつけない、生まれながらの「剣技の才能」がある。それはまさしく「天賦の才」としか呼びようのない領域だ。

 こうした柱が秘めた才能について、作中では比較的サラッと触れられている。不死川玄弥の鬼を喰らうことで鬼の能力を得る特異体質や、嘴平伊之助のように内臓を動かせる特殊能力など、少年漫画らしい派手で目立つ能力ばかりではないのだ。

 音柱・宇髄天元が「俺に才能なんてもんがあるように見えるか?」「俺が選ばれてる? ふざけんじゃねぇ」と自身を評価していたように、こういった天賦の才はどれだけ欲しても手に入らない、鬼殺隊において最も必要とされる能力なのである。

 

 彼らのような本物の「天才」を前にすると、驚異的な成長力を見せた炭治郎ですら“才能があるタイプ”とはいえないのかもしれない。ただし、いくら優れた才能を持っていたとしても、すべてのことを万能にこなせるわけではない。天才を目の当たりにして諦めるのではなく、ひたすら愚直に努力し続けられるのも、またひとつの才能といえるのだろう。

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