吾峠呼世晴氏の人気漫画『鬼滅の刃』。連載終了後もその圧倒的な人気は衰えを知らず、現在フジテレビ系にてアニメが全編再放送中なこともあり、今もなお幅広い層のファンを魅了し続けている。
そして本作には、「お館様」こと産屋敷耀哉が率いる、鬼を殲滅するための組織「鬼殺隊」が存在する。鬼は特殊な「日輪刀」で頸を斬るか、日光を浴びないかぎり死なないため、実質、鬼殺隊以外の人間に鬼を倒すことは不可能だ。
したがって隊士の強さは組織の強さに直結するわけだが、風柱・不死川実弥が「隊士の質が信じられないほど落ちている。ほとんど使えない」と嘆いたように、厳しい最終選別を乗り越えた隊士であっても過酷な戦場を生き残ることは容易ではない。
数百名が在籍するその鬼殺隊において、最強の実力者とされるのが9名の「柱」である。年齢は、下は14歳、上は27歳と幅広く、2名の女性も含まれている。それぞれが異なる「呼吸」を使い、個性的な戦い方で鬼を殲滅するが、その中でも「才能」の有無は明確に分かれているようだ。
『鬼滅の刃』の世界における「才能」とは一体何なのか。今回は、作中で“才能がある”と評される柱たちの姿から紐解いていきたい。
※本記事には作品の内容を含みます。
■天から与えられた圧倒的なフィジカル…「肉体」という才能
鬼との戦闘において最も重要な要素の1つが、純粋な身体能力、すなわちフィジカル面だろう。科学技術が発達していない大正時代を舞台とする本作では、超常的な力を持つ鬼との戦いはシンプルに身体能力が影響する部分も大きい。
柱の中でも最も強靭な肉体を持つといわれているのが、岩柱・悲鳴嶼行冥だ。当時の日本人としては規格外の2mを超える長身に加え、その肉体に宿る身体能力の高さは、まさに天から与えられた才覚ともいえる。
鬼殺隊に入隊する前は食べるものがなくやせ細り、鬼と遭遇したこともなかったにもかかわらず、素手で鬼を夜明けまで殴り続けて仕留めている。
この圧倒的な肉体こそが、彼が持つ才能の根源だ。鬼殺隊入隊後も、盲目ながら常に第一線に立ち続け、他の柱からも一目置かれる存在となった。
対照的に、華奢で鬼の頸を斬る力もない蟲柱・胡蝶しのぶは、その昔、鬼に襲われた時に悲鳴嶼に命を救われた過去を持つ。彼女は戦いの中で己の非力さを嘆きながら、「悲鳴嶼さんいいなあ あの人が助けに来てくれたら 皆 安心するよね」とモノローグで語っている。これは、肉体という才覚を持ち得なかった彼女の素直な思いなのだろう。
同じくフィジカル面で突出した才能を持つのが、恋柱・甘露寺蜜璃である。彼女は公式ファンブックで「捌倍娘(はちばいむすめ)」と称され、筋肉の密度が常人の8倍もある特殊な肉体を持って生まれた。
一見すると女性らしい体型にしか見えないが、実際は凄まじい筋肉量が秘めている。彼女が作中随一の大食漢なのも、その特殊な肉体を維持するために莫大なエネルギーを必要とするからである。
上弦の肆・半天狗との戦いでは、常人では肉の形を保てないほどの攻撃を受けたにもかかわらず、気を失うだけで耐えきり、敵を驚かせていた。
加えて彼女は、新体操のような柔軟性を必要とする、女性らしいしなやかな動きが特徴の「恋の呼吸」を使う。特に、恋の呼吸・伍ノ型「揺らめく恋情・乱れ爪」で見せる体の使い方はとても一般人には真似できない、彼女が生まれ持った剛と柔の肉体だからこそなせる技だ。


