秘められた絆があった! 目暮警部に妃英理、大和敢助にも…『名探偵コナン』キャラクターの傷跡が語る「それぞれの理由」の画像
画像は『少年サンデー』公式サイト(小学館)より「大和敢助」 © Shogakukan Inc. 2026

 国民的人気を誇る『名探偵コナン』(青山剛昌氏)には、体に印象的な傷跡を残すキャラクターが数多く登場する。

 目暮十三の頭、妃英理の太もも、そして長野県警・大和敢助の左目の傷——。これらは一見すると、凄惨な事件の爪痕のようにも思える。しかし実はこれらの傷は、単なる悲劇の記憶ではなく、大切な人を守り抜くための覚悟や極限状態での決断、そして何よりも“かけがえのない絆”が深く刻まれていた。

 今回は、3人の体に残された傷跡に秘められた過去を振り返りながら、『名探偵コナン』の中で描かれた絆のドラマを見ていきたい。

 

※本記事には作品の核心部分の内容を含みます。

 

■目暮十三…帽子の下に隠された“アツすぎる”馴れ初め

 警視庁捜査一課をまとめる目暮十三警部。仕事中はもちろん、プライベートでもかたくなに帽子を脱がないことで有名だ。その理由は、帽子の下に残された大きな傷跡にある。

 その真相が明かされたのは、コミックス第28巻・第29巻収録(テレビアニメ第217話・第218話)「封印された目暮の秘密」の事件解決後に描かれたエピローグである。

 目暮がまだ若手刑事だった頃、女子高生ばかりを狙った連続ひき逃げ事件が発生していた。当時、被害者の友人だった高校生・みどり(現:目暮の妻)は、「友だちの仇を討ちたい」と囮役を志願。警察が危険だと止めても意志を曲げず、やむなく護衛役を任されたのが若き日の目暮だった。

 しかし、犯人はみどりと護衛の目暮ごと車でひき殺そうと突進。目暮は自分の体を盾にして彼女を守り、みどりは全身を強く打ちながらも一命を取り留めた。そしてこの時、目暮は頭部に大きな傷を残すことになった。

 その後、2人は夫婦となる。若き日の目暮が命がけで彼女を守ったこの出来事は、2人の絆を象徴するエピソードでもある。彼が今も帽子を脱がない理由は、傷そのものを隠すためだけでなく、この“アツすぎる”馴れ初めを周囲に知られることへの照れ隠しでもあるようだ。

■妃英理…太ももの傷に秘められた小五郎の覚悟

 毛利小五郎の別居中の妻であり、「法曹界の女王(クイーン)」の異名を持つ敏腕弁護士・妃英理。彼女の太ももには、かつての事件で刻まれた傷跡が残っている。

 普通なら悲劇の記憶として刻まれるはずの傷だが、その裏には小五郎の冷静な判断と、妻を想う強い覚悟が隠されていた。

 その真相が描かれたのが、1998年公開の劇場版『名探偵コナン 14番目の標的』である。

 当時、刑事だった小五郎は、犯人に人質として捕らえられた英理を救うため、あえて彼女の太ももを拳銃で撃ち抜いた。一見すると信じられない行動だが、これには「足を負傷した人質は犯人にとって逃走の足手まといとなり、連れて行かれずに済む」という刑事としての冷静な判断と、「妻だけは絶対に死なせない」という強い覚悟があった。

 結果として英理は救出されたものの、警察内部では「人質を撃った」という判断が問題視され、小五郎は刑事を辞めることになる。彼の決断は多くの誤解を招いたが、英理の命を救ったことだけは紛れもない事実だ。

 ふだんは口喧嘩の絶えない別居夫婦でありながら、いざという時には命をかけて互いを守ろうとする。その背景を知ると、現在も続く2人の絶妙な距離感が、実は深い信頼と愛情の上に成り立っているように見えてくる。

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