人気漫画やアニメの実写化作品において、主人公の魅力と同等、あるいはそれ以上に作品の成否を分けるのが「悪役」の存在だ。圧倒的な強さや独自の信念を持ち、主人公の前に立ちはだかる姿は、時に主役を食うほどの強烈なインパクトを残すことがある。
とりわけ近年話題を集める大ヒット実写映画やドラマでは、ただ恐ろしいだけではなく、男性ながらどこか魅力のある“色気”のある悪役たちも登場している。
特に女性なら、そんな影のある男性キャラに惹かれてしまう人も少なくないのではないだろうか。正義の主役とはまた違う、悪役ならではの妖艶さに釘付けになってしまうのだ。そうした彼らの魅力は、演じる実力派俳優たちの役作りと、身を削るような熱演によって生み出されているのだろう。
そこで今回は「ふたまん+」の女性編集者たちが、漫画の実写化作品から、思わず息を呑むような「色気のある悪役男性」をピックアップ。その魅力に迫っていきたい。
(第5回/全8回)
※本記事には作品の内容を含みます
■虚ろな瞳に宿る底知れぬ孤独…『東京リベンジャーズ』マイキー役:吉沢亮
和久井健さんによる大ヒット漫画を実写映画化し、社会現象を巻き起こした『東京リベンジャーズ』シリーズ。本作は北村匠海さん演じる主人公・タケミチ(花垣武道)が過去へタイムリープし、仲間を救うために奮闘する胸アツな物語だ。
その中心で圧倒的な存在感を放っていたのが、暴走族「東京卍會(トーマン)」を率いる無敵の総長、マイキーこと佐野万次郎である。
マイキーを演じたのは、NHK朝ドラ『青天を衝け』(2021年)で主演を務め、『ばけばけ』(2025年)での凛とした演技も話題を呼んだ吉沢亮さん。
彼が体現したマイキーは、小柄ながら喧嘩最強と称される一方、心を許した相手には無邪気な笑顔を見せるギャップが魅力的なキャラクターだ。シリーズ1作目のマイキーは、金髪ロングヘアがトレードマークのカリスマ的リーダーとして描かれている。
しかし、本シリーズにおいて彼の“色気”が最も危険な香りを放ったのが、完全に悪に染まりきった“闇堕ち”したマイキーの姿だろう。
笑顔が印象的だった金髪のマイキーから一変、現代で闇堕ちした彼は前髪をセンターで分けた黒髪ショートヘアとなり、その首筋にはかつての相棒・ドラケンこと龍宮寺堅(山田裕貴さん)と同じ龍のタトゥーが刻まれている。一切の光を宿さない虚ろな瞳や、他者をまったく寄せつけない冷ややかなオーラは、かつての彼の温かさを完全に失っていた。
すべてを諦めたかのような、空っぽで冷たい表情を見せる吉沢さんのマイキー。冷酷さの中に宿る憂いを帯びた美しさは圧巻であり、闇落ちマイキーのビジュアルが公開されるとSNS上には「美しすぎる」「色気が尋常じゃない」といった絶賛の声が相次いだ。
恐ろしいほどの凄みと色気は、単にビジュアルの美しさだけで成立しているわけではない。吉沢さんは、マイキーの根幹にある「弱そうに見えて最強」という原作のギャップを、リアルに体現していた。
吉沢さんはマイキーの役作りをするにあたって、見た目を弱々しくしすぎると、リアルな人間が映ったときの画として成立しないと考えたという。そのため体を鍛えて大きくしたり、しっかり強く見えるような努力をしたことを明かしている。
さらに『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』では、マイキーの内なる“黒い衝動”が爆発する壮絶なアクションシーンが描かれた。
一虎(村上虹郎さん)に馬乗りになって激しく殴り続けるシーンでは、生々しさを追求するためにあえて段取りを作り込まず、本番で感情の赴くままに拳を振り下ろしたという。
血飛沫が舞う中、躊躇なく相手を追い詰めるその姿は、誰もが手をつけられないほどの凶暴性を見事に表現。また、マイキーの代名詞ともいえる華麗な“蹴り”も披露し、空中での高難度なアクションにも果敢に挑戦している。
猛暑の廃車場という過酷な環境下での撮影にもかかわらず、吉沢さんはハードな撮影の合間や終了後も、涼しい顔で黙々と翌日のアクション練習を重ねていたそうで、プロ意識の高さがうかがえる。
かつての仲間を容赦なく手にかけ、巨悪のトップに君臨した黒髪の闇落ちマイキー。圧倒的な暴力性、すべてを諦めたかのような虚無感、そして亡き相棒のタトゥーを自らに刻む孤独。これらが吉沢さん自身のビジュアルと融合することにより、思わず見とれてしまうほど危険で美しい悪の色気を醸し出したのである。
■吉沢亮の闇落ちマイキー姿がすごい…実写『東京リベンジャーズ2』をチェック



