ついに終盤へと突入し、ますます目が離せない展開が続いているドラマ『田鎖ブラザーズ』(TBS系)。岡田将生さんと染谷将太さん演じる田鎖兄弟を中心とした重厚な人間ドラマは、一体どんな結末を迎えるのだろうか。
6月5日に放送された第8話では、復元された津田の取材ノートから“新事実”が発覚し、その中には兄弟にとって“知りたくなかったこと”も含まれていた。その衝撃が大きすぎたのはもちろん、次々と多くの情報が与えられたため、一度観ただけでは理解しきれず混乱してしまうところがある。
田鎖夫妻が殺害された事件の裏で、一体何が起こっていたのか。津田のノートに書かれていた複雑な人間関係や出来事について、時系列に沿って整理してみたい。
※本記事にはドラマ『田鎖ブラザーズ』第8話までの内容を含みます。
■カギは「銃の密造」と「立ち退き」
津田が辛島金属工場について追い続けていたことは以前から描かれてきたが、今回、それが“偶然の産物”だったことが発覚した。1995年3月21日、津田は五十嵐組のドラッグ取引について取材していたところ、「天城」という組員の気になる発言を耳にし、取材内容を変更することにしたのだという。
「道具(=銃の隠語)は辛島の工場に作らせてます」。その言葉をきっかけに津田は、五十嵐組と辛島金属工場が手を組んで銃の密造をしているのではないかという疑念を抱き、粘り強い調査を進めていく。
さらにこの件には、もう1人の重要人物がかかわっていた。1995年4月13日夜、海上で銃の取引が行われ、天城と「もう1人の男」が工場長・辛島貞夫のもとを訪れ報酬を渡した。同じ夜、工場の従業員・田鎖朔太郎(兄弟の父)が、銃を工場から港まで運搬している。
津田は、「もう1人の男」が誰かわからないとしていたが、後に当時神奈川県警・捜査一課の刑事である笹岡隆弘だと判明。笹岡はかつて川崎水上警察署にいた経験から、海上の巡回スケジュールを入手できる環境にあり、その情報を五十嵐組に流していた。それをもとに、五十嵐組は海上で銃の密売をおこなって儲けていたのだ。
しかし、13日の夜の取引で何らかの「トラブル」が発生。貞夫はその処理のために笹岡を頼り、笹岡は“とある人物”に白羽の矢を立てた。それが、田鎖兄弟が兄のように慕ってきた茂木幸輝である。しがない町中華の店主である茂木が、なぜ目をつけられる事態になったのか。その裏には、五十嵐組と笹岡が関わっていた「蓬田町の立ち退き」があった。
茂木の店もその立ち退きの対象だったため、笹岡は「立ち退きから手を引くこと」を五十嵐組に要求。その交換条件として、茂木にトラブルを片付けるよう命じたのだ。その内容は、「“あの一家”を処理しろ」……これは、田鎖一家のことだと思われる。
そして1995年4月26日、辛島金属工場での火災と田鎖一家殺傷事件が発生。これにより津田は銃密造の取材を断念し、ドラッグへと企画を戻す。その際、ドラッグの顧客名簿を盗み出したため五十嵐組に追われる身となり、姿を消す……。
こうした事実を目の当たりにしても、茂木が両親殺害の犯人だとは信じたくなかった田鎖兄弟。しかし、一緒に銭湯に行って確かめたように、あの日工場の火災に巻き込まれたとされる茂木の身体には、本来あるはずの「金属熱傷による白い瘢痕」が残っていなかった。
そのため、彼は嘘をついていたことになる。火災発生直後、茂木は工場から田鎖家に走って向かって犯行後、消防隊が到着する前に工場に戻ったのではないか……というのが、真の推理だ。
現時点で分かっている情報をまとめると、田鎖夫妻の殺害は「銃密造」と「立ち退き」が絡み合って起きてしまった悲劇だといえる。ただ、なぜトラブルの処理が彼らの殺害につながるのかは不明だ。証拠品となる拳銃をおもちゃのロボットの中に隠していることを踏まえると、朔太郎が銃密造について何か重要な情報を握っていた可能性が高い。


