原作:山田鐘人氏、作画:アベツカサ氏による人気ファンタジー漫画『葬送のフリーレン』には、強力な魔法使いが数多く登場する。かつて勇者一行の魔法使いであった主人公・フリーレンはもちろん、その弟子のフェルン、1000年以上前の大魔法使いフランメ、さらには“魔法を使う”という意味なら、魔族の大幹部である「七崩賢」など枚挙にいとまがない。
そこで「本作における最強の魔法使いは誰か?」という疑問が浮かぶが、実はその答えらしきものは作中で示されている。その人物こそ、「神話の時代の大魔法使い」を自称するエルフ、ゼーリエだ。その実力は、フリーレンが「間違いなくこの時代の人類の頂点に君臨する魔法使い」と断言するほどである。
今回は、世界を救った魔法使いが「頂点」と認める生ける伝説、ゼーリエとは何者かを深掘りしていこう。
※本記事には作品の内容を含みます。
■ほぼすべての魔法を習得済み! 現代の頂点に立つ大魔法使い
ゼーリエは、世界中の魔法使いを統括する「大陸魔法協会」の創始者であり、現在もそのトップに君臨している。組織の長だからといって必ずしも最強とは限らないが、ゼーリエに関しては文句なしに最強だ。
まず特筆すべきは、ゼーリエはこの世に存在するほぼすべての魔法を習得しているという点だ。神話の時代から生きる大魔法使いだからこそできる芸当で、その知識には「呪い返しの魔法(ミステイルジーラ)」、「服の汚れをきれいさっぱり落とす魔法」など、現代では失われてしまった伝説の魔法も含まれるのだから凄まじい。
また、1000年を生きたフリーレンよりも遥か昔から存在しているため、その魔力量も突出している。魔力を抑えている状態で、フリーレンが全力を出した時と同等の魔力量なのだ。
あまりに強すぎるせいか戦闘シーンは少ないが、漫画の第93話では、魔族の最高幹部の1人「黄金郷のマハト」を相手に、余裕の笑みを浮かべながら易々と追い詰めている。マハトを倒すためにフリーレンやデンケンたちがかけた苦労を思えば、その実力はまさに桁違いだといえる。
■傍若無人な態度だが、弟子思いな一面も
ゼーリエの人柄をひと言で表すなら、“傍若無人”という言葉が浮かぶ。圧倒的な存在として長年生きてきたゼーリエには気遣う相手がいないからか、他人には常に上から目線で接する。「一級魔法使い試験編」の三次試験では、正当な理由があるとはいえ、受験者を一瞥すらせず「不合格」と断ずる冷徹なシーンもあった。
しかし、ゼーリエが他人をどうでもいい存在と思っているかといえば、一概にそうともいえない。彼女は、むしろ人間の魔法使いを好んでおり、見込みのある相手は積極的に弟子に取ろうとする。一級魔法使い試験の合格者には、「特権」として自分が持つ魔法をなんでも1つ譲渡するほどだ。
そうして数多くの弟子を取ってきたゼーリエは、「一人一人の性格も好きな魔法も鮮明に思い出せる」「何故か私は弟子を取って後悔したことは一度も無いんだ」と語っており、弟子を深く想う気持ちを何度も見せている。
何千年、あるいは何万年と生きているゼーリエは、これまで数えきれないほど多くの弟子を育て、彼らが自分の境地に届かないまま先立つのを見送ってきた。それでもなお、全員のことを覚えている彼女は、ただ「強い」だけでは言い表せない奥深いキャラクターなのである。


