現在放送中の鈴木亮平主演の日曜劇場『リブート』(TBS系)は、復讐に燃えるパティシエ・早瀬陸が、悪徳刑事・儀堂歩に成り代わって裏社会の巨悪と戦う物語だ。3月8日放送の第7話では新たな死者が出てしまい、第二章開始早々、早瀬にとっても視聴者にとっても辛い展開となった。
そんな中、今後物語を大きく動かしていくと考えられる人物が、ダークバンカー・合六亘の直属の部下である冬橋航(永瀬廉)だ。そして、そんな彼の原動力となっているのが、第7話でもスポットを当てられたNPO法人「しぇるたー」である。
今回は、作中でたびたび言及されている「しぇるたー」について、職員の目的や合六の組織との関係も含め、あらためて情報を整理していきたい。
※本記事は『リブート』第7話までの内容を含みます。
■冬橋の夢から始まった「しぇるたー」
冬橋はかつて、歌舞伎町にある「トー横」界隈で炊き出しのボランティアをしていた。そこには、現在組織内で冬橋とバディを組む霧矢直斗(藤澤涼架)や、闇バイトの指示役などを務めるマチの姿もあった。彼らはその頃からずっと一緒にいる仲間なのだ。
冬橋たちは、「居場所がない子どもたちが逃げ込める場所を作りたい」という純粋な思いから、NPO法人を立ち上げようとしていた。しかし、金も力もなかった当時の彼らに、残酷な現実が襲いかかる。ある日、子どもを金儲けに利用した悪人と抗争になり、冬橋は殺されかけてしまう。
そんな彼を助け、スカウトしたのが合六である。合六は冬橋に「お金と権力の正しい使い方」を教えると持ちかけ、八方ふさがりだった冬橋は「家族が一緒でもいいなら」とその手をとってしまう。以来、彼は合六の手足として働き、汚れ仕事をして金を稼いできた。
そうして立ち上げられた「しぇるたー」は、家出をした子どもたちを保護し、彼らが安心して暮らせる場を提供し続けている。合六という後ろ盾を得たことによって、冬橋が描いた夢は現実のものとなったのだ。
■「しぇるたー」を支える裏稼業
「しぇるたー」自体は、合六の組織と深いかかわりはなく、またそこにいる子どもたちも犯罪行為には関係していない。しかしその一方、活動資金には冬橋たちが裏稼業で稼いだ金が使われている。
まず冬橋と霧矢は、合六の命令で裏切り者を“処分”する、いわば実行部隊のような立ち位置にある。殺人にも手を染めており、完全に合六の組織にはまり込んでいるといえるだろう。特に冬橋は合六に目をかけられ、さらなる成長を期待されているほどだ。
一方、マチはNPO法人の代表という立場でもあるため、彼らほど組織に深くかかわっているわけではない。しかし、合六の顧問弁護士・海江田勇のもとで犯罪行為に加担してはいる。
彼女らが拠点としている「クリアランス法律事務所」は、表向きは特殊詐欺や闇バイトの被害者を救済するための法律事務所。しかし裏では、闇バイトの「名簿」を作り、組織のために活用している。
第4話では、相談してきた被害者を甘い言葉で誘ったり、SNSでお金に困っている人に声をかけたりと、闇バイトを集める具体的な手口が描かれていた。必要とあらば家族を脅しの材料に使うなど、一度かかわると抜け出せなくなる仕組みになっているのも印象的だ。また、第7話で命を落としてしまったリッカのように、普通に働けず困っている「しぇるたー」の子を誘うケースもあるようだ。そしてその結果、法律事務所は冬橋たちと関連が疑われ、捜査2課のガサ入れを受けることになる。
このような形で裏仕事にはかかわってはいるものの、冬橋はマチをこれ以上深入りさせることを望んではいなかった。彼女を含む「家族」のためなら、冬橋は自身の手を汚すことをいとわず、どんなこともやる。だからこそ、今回100億絡みの騒動でマチを殺された彼が、復讐のため“暴走”を見せることは想像に難くない。
■早瀬の妻・夏海とも深いかかわりが
「しぇるたー」には、早瀬の妻・夏海(山口紗弥加)も深く関係している。彼女は公認会計士として働くかたわら、冬橋たちのNPO法人立ち上げに協力していた。彼女自身、父親に認知されず貧しい幼少期を過ごし、高校生のときに母を亡くして苦労したというから、何か感じるものがあったのかもしれない。
また、一香がクリアランス法律事務所に出入りしていることから、前任者である夏海も彼女と同じような“犯罪行為”をおこなっていたと思われる。
マチは夏海を“唯一信用できる大人”と語っていたが、それはただ自分たちに協力してくれたからというだけではなく、彼女の優しさに触れていたからこそだろう。夏海はたびたび「しぇるたー」にも足を運び、よくハヤセ洋菓子店のケーキを差し入れていた。だから、マチたちにとって早瀬が作るケーキは「思い出の味」になっているのだという。
組織内では冷徹な表情を崩さない冬橋でさえも、夏海絡みの話になると表情や声をわずかにやわらげる。第4話で早瀬が自分の正体を証明するため作ったハヤセショートを食べた時、一瞬動揺したような様子だったのも、それが彼にとってもなじみの味だったからなのかもしれない。
さて、以前からSNS上では「一香=夏海なのでは?」という考察が広がっているが、そんな中で注目を集めているのが、第7話ラストで一香が口にした「ごめんねマチちゃん」のセリフだ。この時、一香は彼女らしくない悲痛な表情を浮かべているが、彼女自身とマチの関係はビジネス上のものでしかないはず。一方、夏海とマチの交流はていねいに描かれていたからこそ、この姿に夏海の存在を見出した視聴者は多いようだ。
その場合、夏海は自身を慕う少女を死に至らしめ、冬橋は恩人を仇として討つことになるが……そうだとしたらあまりにも残酷な展開だ。
さまざまな人間の思惑や陰謀が絡み合い、複雑な展開を見せている『リブート』 。次回第8話ではついに夏海の死の真相が明かされるといい、新展開が期待される。冬橋がどのような動きを見せるのかも注目したいところだ。


