『ドラゴンボール超 銀河パトロール』放送前の必読書?鳥山明の隠れた傑作『銀河パトロール ジャコ』の画像
アニメ『ドラゴンボール超 銀河パトロール』(C)バード・スタジオ/集英社・東映アニメーション

 1月25日に開催された「ドラゴンボール ゲンキダマツリ」にて、ファン待望の新作アニメ『ドラゴンボール超(スーパー) 銀河パトロール』の制作決定が発表された。

 本作は「宇宙サバイバル編」のその後を描く物語で、漫画版の「銀河パトロール囚人編」がベースとなっている。主人公の孫悟空とライバルのベジータが、「ジャコ」たち銀河パトロール隊と一緒に、星のエネルギーを食べる恐るべき敵「モロ」と宇宙規模の激闘を繰り広げる内容だ。

 銀河パトロール隊員のジャコは、劇場版アニメ『ドラゴンボールZ 復活の「F」』にて初登場した。この時は“旧知のブルマ”のもとを訪れ、フリーザの復活と地球侵攻を告げる役割で、ゲスト的な立ち位置だった。

 今回の「銀河パトロール編」ではいよいよ本格的に登場すると思われるが、そんな新章をより深く理解するために読んでおきたいのが、鳥山明さんが描いた漫画『銀河パトロール ジャコ』である。

 

※本記事には作品の内容を含みます

■『ドラゴンボール』の前日譚

 『銀河パトロール ジャコ』は、2013年に『週刊少年ジャンプ』の創刊45周年記念作品として連載された。『SAND LAND』以来、約13年ぶりの鳥山さんの連載作品として、当時大きな話題を呼んだものだった。

 物語の舞台は、悟空が地球に来る10年以上前。ジャコは隊員たちを束ねる銀河王から“地球にやってくる危険な宇宙人(カカロット=孫悟空)を退治しろ”という命令を受け、地球へ向かった。しかし、移動中にビデオに夢中になって月に宇宙船をぶつけてしまい、地球の小さな島に不時着する。

 ジャコは身長148センチで、お面のような顔をしているがこれが素顔だ。自分を超エリートだと言い張っており、実際に地球人とは比較にならない高い身体能力を持つ。ただ、仲間内ではドジだと思われており、いわゆる愛されキャラである。

 そんなジャコが出会ったのは、島で一人暮らしをする工学博士の老人・大盛徳之進。大盛は昔、政府からの要請でタイムマシンの開発をしており、その際の事故で妻を亡くした悲しい過去があった。こうした経験もあり、大盛はすっかり人間嫌いになっていた。

 ジャコは彼の話を聞くと、人間だけを絶滅させる「絶滅爆弾」を使ってしまおうかなどと言い始める。大盛の「いい地球人だっていっぱいいる」という言葉を受け、しばらく観察することに決めるが、その後も事あるごとに爆弾の使用をほのめかす。結果的にジャコは心変わりしたわけだが、下手をすれば、悟空が活躍する前に地球から人類が消え去っていた可能性もあった。

■あのキャラクターも活躍!?

 本作に登場するヒロインが、17歳の少女タイツである。暴漢に絡まれているところをジャコに助けられるのだが、その彼女が最終話で明かしたのが「カプセルコーポレーションの令嬢」というまさかの素性だった。さらに、タイツから「超天才」と紹介されたのが妹のブルマである。

 当時5歳にして、宇宙の最新技術をあっさりと理解したブルマは、大盛が直せなかった宇宙船のアンテナを修理し、動力源の仕組みもすぐに解明した。このとき、宇宙船の重力コントロールの技術がブルマの父・ブリーフ博士に伝わり、後のエアカー開発などに役立てられた。カプセルコーポレーションが世界一の大企業になった背景には、この時の宇宙技術も大きく関わっていたのだ。

 また最終話では、悟空を乗せたポッドが地球にやってくる場面も描かれた。しかしジャコはタイツとおしゃべりをしていてポッドを見逃し、軌道が外れたと勘違い。無事に宇宙船が直ったこともあって、宇宙へと帰っていく。おかげで悟空は生き残り、育ての親である孫悟飯に拾われ、すくすくと成長していくのである。

 

 こうした小さなつながりが、数十年後を描く『ドラゴンボール超』で、ジャコが悟空たちの心強い味方として再登場する際の説得力になっている。ジャコやタイツたちが過ごしたあの数日間の出来事を知っておけば、アニメ最新作をより深く楽しめるはずだ。

 本作は、他にも人間味あふれるエピソードが盛りだくさんで、ファンの間では地味ながらも温かい「隠れた傑作」との呼び声が高い。未読の方は新作アニメの放送前にチェックしてみてはいかがだろうか。

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