現在放送中のテレビ東京系ドラマ『元科捜研の主婦』で夫婦役を演じている松本まりかさんと横山裕さん。「この2人の空気感、どこかで見覚えがある……」そんな既視感を覚えた視聴者は、相当なドラマ通かもしれない。
本作で驚くほどしっくりと馴染んだ夫婦像を見せる彼らの初共演は、今からおよそ20年も前にさかのぼる。かつて深夜の放送枠で共演した2人は、長い歳月を経て、冬の夜のホームドラマで「夫婦」として再会を果たしたのだ。
※本記事には各作品の内容を含みます
■ 初共演は20年前…深夜ドラマ『劇団演技者。』での共演
2人の初共演は、約20年前、2005年にフジテレビ系で放送された『劇団演技者。』内の『ロンリー・マイルーム』という作品だ。
『劇団演技者。』とは、当時のジャニーズ事務所に所属するタレントたちが主演を務め、気鋭の劇団とタッグを組んで本格的な舞台作品をドラマ化するという挑戦的な番組枠であった。
その第14回公演『ロンリー・マイルーム』で主演を務めたのが、当時24歳の横山さん。そしてヒロインを演じたのが21歳の松本さんだった。
横山さんが演じたのは、念願の一人暮らしを始めた大学生・大谷夏来。そして松本さんは、彼がひそかに思いを寄せるバイト先の後輩・水野由江を演じた。
舞台は、夏来が由江を招き入れようと画策した引越し当日のワンルーム。次々と「招かざる客」が乱入することで、淡い理想が音を立てて崩れていくワンシチュエーション・コメディだ。
結局、このドラマで2人の関係は成就することなく、タイトルの通り、夏来は一人「孤独(ロンリー)」な結末を迎えることとなったのである。
■ 20年越しの「恋」が成就? 会見で明かした本音
そんな「独りきり」の幕切れから、実に20年余り。今回の『元科捜研の主婦』での再共演が発表された際、当時の役柄を誰よりも大切に思っていたのは、演者本人たちだったのかもしれない。
制作発表会見で松本さんは、「20年来の恋が実って本当に嬉しいです」と、満面の笑みを見せた。一方で、横山さんは「僕、まったく覚えてなかったですね(笑)。共演していたのは覚えてますけど」と正直に明かし、松本さんからツッコミを受ける一幕も。しかし、その後に「改めて、20年経ってもドラマで共演できているのは感慨深いなと思います」としみじみと語った。
かつて、狭いアパートの一室で孤独を噛み締めていたあの青年が、20年以上の時を経て、同じ女性と温かな家庭を築いている。その光景は、まるで“物語の続き”を見ているかのようだ。
もちろん、実際にはそれぞれの作品を跨いだ設定などは存在しない。だが、そんな視点を少しだけ重ねて作品を見てみると、本作の何気ないやり取りがよりいっそう愛おしく感じられてくる。


