テレビアニメ『機動戦士ガンダム』で初登場したモビルスーツ(MS)は、「機動戦士」の名が示す通り、機動性を重視して生まれたメカである。劇中では機動性の高い人型兵器が、有視界戦闘下において既存の戦艦や戦闘機を圧倒する描写が目立った。
その後、長く続く『ガンダム』シリーズにおいて、MSはさまざまなバリエーションが生まれている。中には機動力を犠牲にして、防御性能や攻撃性能に特化するような機体も登場した。
尖った性能を持つ機体には一長一短あり、運用方法によっては輝く場面も出てくる。しかし一視聴者としては、火力に全振りした「武装全部盛り」の攻撃的な機体にロマンを感じてしまう面は否めない。
そこで今回は劇中で圧倒的な攻撃性能を誇った、火力特化型のMSたちを振り返ってみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■宇宙世紀がたどり着いた「史上最強の機動兵器」!?
テレビアニメ『機動戦士Vガンダム』に登場する「V2アサルトバスターガンダム」は、V2ガンダムにアサルトパーツとバスターパーツという全オプション兵装を組み合わせた、まさに「全部載せ」仕様となっている。
本来なら追加武装や追加装甲を載せることによる機動性低下を避けるため、スラスターなどの増設が必須になるが、V2ガンダムが搭載する次世代型推進機「ミノフスキー・ドライブ」の大推力がその制約を打ち破った。
追加の推進装置を必要とせず重武装化を実現したことこそ、V2アサルトバスターが宇宙世紀における史上最強の機動兵器と評価される理由だろう(∀ガンダムなどは度外視するとして……)。
V2アサルトバスターの攻撃性能は圧倒的で、それを象徴するのが右肩部に装備された「メガ・ビーム・キャノン」だ。これは戦艦クラスであってもビームシールドごと貫く、絶大な威力を誇る。左肩部には「スプレー・ビーム・ポッド」を備え、こちらは広範囲に無数のビームを発射でき、近・中距離の敵機を一掃するほどの弾幕を形成する。
ただしV2アサルトバスターは、劇中で急遽換装が行われた機体のため、すべての武装を装備できたわけではない。エネルギー供給も間に合っていなかったのが惜しまれるところで、もしも万全の状態で出撃できていたら、どれほどの活躍を見せてくれたのか気になるところだ。
ちなみに最近では、スマホアプリ『機動戦士ガンダムU.C. ENGAGE』(バンダイナムコエンターテインメント)にて、「V2アサルトバスターキャノンガンダム」という、さらなる強化形態まで登場している。
■現地改修による火力全振り機体
OVA『機動戦士ガンダムUC』には「フルアーマーユニコーンガンダム」という形態が登場する。これはユニコーンガンダムの火力および継戦能力アップのため、母艦「ネェル・アーガマ」にあった、あらゆる機体の装備類を搭載して実現したもの。
防御面は本来のシールドを増設した程度なので「フルアーマー(Full Armor)」ではなく、「フル・アーマメント(Full Armament=完全武装)」を象徴するような形態だ。
機体背部にハイパー・バズーカやグレネードランチャー、対艦ミサイルランチャー、脚部にはハンドグレネード・ユニットなどが増設されている。
さらにシールド3基の下部にビームガトリングガンが2基追加され、このガトリングを備えたシールドは、推力を持たないにもかかわらずファンネルのように扱え、インテンション・オートマチック・システムによる遠隔攻撃まで行える。
そして増大した機体重量による機動力低下を補うべく、プロペラントタンク兼大型ブースターも装備していた。
これだけの重武装形態を発案したのは、主人公バナージ・リンクスのルームメイトである民間人のタクヤ・イレイであったことも驚きだ。
ちなみにフルアーマーユニコーンガンダムは現地改修による非公式な形態だったが、もともとユニコーンガンダムの強化のために開発された「アームド・アーマー」を装着した「ユニコーンガンダム ペルフェクティビリティ」という強化形態もある。
そして、ペルフェクティビリティにフルアーマーユニコーンガンダムの武装を追加した「ユニコーンガンダム ペルフェクティビリティ・ディバイン」という形態も存在する。


