作者もお手上げの無双ぶり…ミホークに比古清十郎 、そして継国縁壱も『ジャンプ』作品を代表する「最強すぎた剣技キャラ」の画像
「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱」キービジュアル (C)和月伸宏/集英社・「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱」製作委員会

 漫画やアニメの世界では、華やかな魔法や超能力が飛び交う中、ただ1本の「刀」で他を圧倒する剣豪たちもいる。剣を振るう瞬間の空気の変化や、一撃がもたらす絶大な殺傷能力は、読者にその強さを印象づけてきた。

 とりわけ「ジャンプ作品」には剣を使うキャラが多く登場する。今回はその中から、特に“圧倒的な一撃”を誇る強者たちを紹介していこう。

 

※本記事には各作品の内容を含みます。特に『鬼滅の刃』『呪術廻戦』の未アニメ化部分に言及しているので、未読の方はご注意ください。

■格の違いを見せつける剣豪たち

 「剣豪」と聞いて多くの人が思い浮かべるのが、『ONE PIECE』の“鷹の目”ジュラキュール・ミホークではないだろうか。初登場時に巨大なガレオン船を一刀両断したシーンや、頂上戦争で氷山を軽く斬り裂いた一撃は、もはや剣士という枠を超え“世界そのものを斬る一閃”と言えるほどの迫力。

 小さなナイフでロロノア・ゾロの三刀流を受けとめ、その後本気の一撃を見せた場面は、「世界最強の剣士」の称号を読者に刻みつけた象徴的なシーンである。

 ミホークの愛刀である黒刀「夜」は最上大業物12工の一振り。彼が本気で抜刀するシーンは少ないものの、その強さは間違いなく作中最強レベル。成長したゾロとの再戦が楽しみでならない。

 剣の殺傷能力という観点では、『るろうに剣心』の比古清十郎もまた圧倒的な存在だ。飛天御剣流継承者第十三代目である比古の剣速は、目に映るより先に結果だけが残るような感覚すらある。

 特に凄まじいのは、剣心に奥義を伝授する際に初めて力を解放した場面だ。ふだんは特殊な白外套(マント)で筋力を抑制して力をセーブしているが、この時ばかりはそれを脱ぎ、本領を発揮した。あまりに強すぎるキャラであるため、作者ですら「ジョーカーのように扱いづらい」と公言しているほどだ。

 実際、作中ではマント着用時でも8メートル級の巨人・不二を正面からねじ伏せるなど、その強さを遺憾なく発揮。北海道編では「旅に出て行方不明」として今のところ登場しておらず、その強さゆえに“出禁扱い”になっているかのようだ。

■近年の作品に登場する「剣技最強キャラ」

 圧倒的な剣技といえば、『鬼滅の刃』の継国縁壱の存在はもはや神話レベル。相手の動きを見抜く「透き通る世界」を生まれながらに会得しており、7歳で初めて竹刀を手にした際に大人の剣士を4連撃で倒したというエピソードは、もはや“才能”という言葉では片づけられない。

 鬼の始祖・鬼舞辻󠄀無惨と初めて対峙した瞬間、縁壱は日の呼吸を完成させ、一瞬で無惨を追い詰めた。その際1800の肉片に分裂して逃げようとした無惨だったが、縁壱はそのうち1500以上を瞬時に斬り、かろうじて逃れた無惨に生涯消えない恐怖を植えつけた。

 『呪術廻戦』の大道鋼も、異質な存在感と常識外れの強さを持つ剣士だ。死滅回游編に突如現れた彼は、過去に実在した名もなき剣豪の受肉体である。“日本男児の魂は刀”という謎の精神性だけで突っ走り、現代に蘇ってからは「刀ァー!!!」「刀ァー!!!」と叫びながらさまよい続けていた。

 その剣技は圧巻で、禪院真希から妖刀・釈魂刀のレプリカを受け取った瞬間、まるで何十年も振り続けてきたかのような剣さばきを見せた。呪力を扱わず呪霊が見えないにもかかわらず、「それ以外が全て見えているのであれば 最早それは見えているも同義である‼」という独自の境地で敵に大ダメージを与えたのである。

 常識外れといえば、『SAKAMOTO DAYS』の篁(たかむら)も外せない。彼の剣はとにかく何でも斬る。敵だろうが車だろうがビルだろうが、さらには東京タワーでさえ、居合の一閃で両断してしまうのだ。しかも使っている刀は特別製でもなく、普通にヒビが入ったり折れたりする。なのに“何でも斬れる”。つまり斬れている理由は刀ではなく、完全に篁自身の腕前ということだ。

 相手が誰であれ、距離を詰めた瞬間に一太刀で終わらせるその瞬殺ぶりは、「斬る」という動作が完全に人間の限界を超えた領域にある。その強さは、伝説の殺し屋と評される主人公・坂本太郎ですら「この人には勝てない 全員死ぬ」と戦慄するほどだ。

 

 ここに挙げた5人に共通するのは、技の美しさや技巧の高さにとどまらず、その“一撃の重み”が圧倒的である点だ。刀を振った瞬間に戦況がひっくり返り、空気が凍り、周囲のキャラが本能で「勝てない」と悟る。

 剣を道具ではなく、自らの魂や存在そのものとして扱う者だからこそ放てる一撃。その背筋が凍るほどの殺傷能力を秘めた一撃こそが、彼らを「剣技だけで最強」たらしめる理由なのである。

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