2025年に「ふたまん+」上で多く読まれた人気記事を、テーマに沿ってプレイバック。見逃した人はぜひチェック!
今回は「少年漫画」に関する人気記事トップ3を紹介する。第3位は昭和『ジャンプ』黄金期を代表する作品群に焦点を当てた記事、第2位はバスケットボール漫画の最高峰『SLAM DUNK』、第1位は格闘漫画の金字塔『修羅の門』が、熱い支持を集めた。
第3位:『シティーハンター』冴羽獠に『北斗の拳』ラオウ、『聖闘士星矢』ドラゴン紫龍も…勝つためには何でもする! 昭和『ジャンプ』作品に登場する「ぶっ飛んだ作戦」(2025年7月7日公開記事)
1968年に創刊されて以来、多くの名作を生み出し続けている『週刊少年ジャンプ』(集英社)。なかでも「黄金期」と言われる1980年代から1990年代中頃にかけての勢いは凄まじく、発行部数はなんと歴代最高記録の653万部を突破。昭和の子どもたちはみな発売日を楽しみにし、作品に夢中になったものだ。
そんな『ジャンプ』のなかでも、とりわけ高い人気を誇ったのが「バトル漫画」や「アクション漫画」だ。主人公と強敵が戦うシーンを、今も鮮明に思い出せる人は多いのではないだろうか。
だが、思い返してみると、昭和の『ジャンプ』には信じられない方法で敵を追い込むシーンもたびたび見られた。それが「自分の体の一部を犠牲にして相手を倒す方法」である。
現実ではちょっと考えられない、インパクトのあるぶっ飛んだバトルシーンを振り返って紹介していこう。
1985年より連載された北条司氏の『シティーハンター』は、凄腕始末屋(スイーパー)のスナイパーであり探偵業を営む主人公・冴羽獠の活躍を描いた名作だ。
本作では獠が神業ともいえる銃の腕前を次々に披露するが、インパクトのあるぶっ飛んだ作戦といえば、コミックス1巻に掲載されている「BMWの悪魔の巻」だろう。
殺された妹の敵を取ってほしいと、美女・亜月菜摘に依頼された獠。2人が大人向けのスナックで相談をしている最中、1人の男が女性を人質に取る事件が発生する。
第2位:安西監督はなぜ無名校に? 仙道はなぜ陵南を選んだ? 井上雄彦の『SLAM DUNK』に隠された「6つの謎」(2025年9月24日公開記事)
『SLAM DUNK』は、漫画家・井上雄彦さんの代表作にして、90年代を象徴する不朽の青春バスケット漫画である。リアルなプレイ描写とスリリングな試合展開で絶大な人気を博し、近年でも本作の"聖地巡礼"がニュースとして取り上げられるなど、その熱気は今なお衰えを知らない。
だが、連載終了から長い年月が経った今も、「なぜなのか?」と思わず首をかしげたくなるような謎めいた場面が存在する。今回は、そんな『SLAM DUNK』に散りばめられた、6つの"謎"を取り上げていきたい。
本作には「リアルな部活動の描写」と「フィクションならではの大胆な描写」が、巧みに混在している。その象徴的な例が、各チームにおける指導者の描写だ。
まず注目したいのは、全国レベルの実力を誇る強豪・翔陽高校に監督が存在しなかった点だ。試合中にベンチに座っていたのはバスケ未経験の顧問のみで、実質的な采配は選手であり、キャプテンでもある藤真健司が担っていた。
第1位:川原正敏が描いた伝説の格闘漫画『修羅の門』 陸奥九十九を最も苦しめた「作中最強の相手」は誰だ?(2025年11月22日公開記事)
『月刊少年マガジン』(講談社)で1989年から連載された、川原正敏氏の伝説的格闘漫画『修羅の門』。圧倒的な筆致と緻密な格闘描写で、多くの格闘漫画の礎となった金字塔だ。2010年には『修羅の門 第弐門』として復活し、主人公・陸奥九十九の壮絶な戦いと、その裏にある"修羅"としての宿命があらためて描かれた。
そんな『修羅の門』については、読者の間で「作中最強ランキング」がたびたび取りざたされてきた。
今回は主人公・九十九本人を除外したうえで、作品内の戦闘描写・戦績・発言などをもとに、筆者が独断で選んだ上位8人の強さを分析してみたい。
第8位は、南米の暴れ牛イグナシオ・ダ・シルバ。
神武館空手の南米王者にして作中最強クラスの打撃を誇る彼は、ヴァーリ・トゥードで九十九と激突した。その耐久力と闘志は桁外れで、九十九が立ち技・寝技をすべて駆使してようやく勝利したほど。純粋なフィジカルと格闘センスが一級品だったのは間違いない。
第7位には、鬼道館空手の天才、片山右京。神武館の海堂晃と並び称される実力者で、「菩薩掌」という人智を超えた一撃を会得していた。だがその技を九十九戦の直前に披露してしまったことが敗因に。九十九戦でいきなり繰り出していれば、勝利できた可能性もあっただろう。
2025年の人気記事トップ3は、いずれも1980〜90年代に青春時代を過ごした読者の心に強く刻まれた名作漫画に焦点を当てた内容だった。1位の『修羅の門』と2位の『SLAM DUNK』は、ともに緻密な描写と魅力的なキャラクターで読者を魅了した作品であり、3位の記事で取り上げられた『ジャンプ』黄金期の名作群も含め、これらの作品が今なお多くのファンに愛され続けている証左と言えるだろう。
漫画の名場面や謎を掘り下げる記事が人気を集めた背景には、「大人になった読者が、改めて自分の青春時代に影響を受けた作品の魅力を再発見したい」という欲求があるのかもしれない。これらの漫画が描き出す「極限状態での人間の可能性」や「青春の熱量」は、年齢を重ねた今だからこそ、より深く理解できる側面もあるだろう。


