2025年に「ふたまん+」上で多く読まれた人気記事を、テーマに沿ってプレイバック。見逃した人はぜひチェック!
今回は「少女漫画」に関する人気記事トップ3を紹介する。、第3位はネットミーム化した少女漫画のセリフの元ネタを解説した記事、第2位は『ベルサイユのばら』に登場する実在の人物たちの史実に迫った記事、第1位は『りぼん』作品に登場する衝撃的なキャラクターの死を扱った記事だ。いずれも少女漫画の世界の奥深さを感じさせる内容となっている。
第3位:「そのキレイな顔をフッ飛ばしてやる」「芋けんぴ、髪に付いてたよ」…ネットミーム化した「少女漫画の有名セリフ」と「意外な元ネタシーン」(2025年3月23日公開記事)
漫画に登場する魅力的なセリフは読者の心に大きなインパクトを与え、記憶に残る名シーンも多い。ときには作品を知らない人にまで知れ渡るほど、破壊力のあるセリフも珍しくない。
たとえば美内すずえさんによる『ガラスの仮面』ならば、月影先生が発した「おそろしい子!」という心の声が有名だ。これは主人公・北島マヤの女優としての才能を垣間見た瞬間に発せられたセリフである。
ほかにも同作では決意や驚き、本気の感情を表現する際に、キャラクターの大きな瞳から黒目が消えて「白目」になるのも特徴のひとつ。「おそろしい子」というセリフと同様にCMやコラボ商品などにも用いられ、公式も認めた『ガラスの仮面』の鉄板ネタだ。
SNSの普及により、こうした有名作品の名ゼリフやシーンを事あるごとに目にする機会も増えた。だが、実際にはその漫画を読んだことがなかったり、元ネタを知らないケースも多いだろう。
そこで今回はネット上でセリフやシーンの一部が有名になってしまった少女漫画の元ネタが、実際はどのように描かれていたのかを探ってみたい。
新條まゆさんによる『覇王・愛人(「・」はハートマーク)』は、2002年から小学館の漫画雑誌『少女コミック』で連載されていた作品だ。
病気がちな母や幼い弟たちと暮らす女子高生・秋野来実(あきのくるみ)が、マフィアのボス・黒龍(ハクロン)を偶然救ったことをきっかけに無理やり拉致され、香港で彼の「愛人(アイレン)」となる物語。
第2位:ポリニャック夫人にベルナール・シャトレも…『ベルサイユのばら』史実ではどう? 歴史上実在した「その後」が気になるキャラクターたち(2025年3月8日公開記事)
1月31日に劇場アニメが公開された、池田理代子氏の『ベルサイユのばら』。「激しく、美しく、生きた——」というコンセプトの通り、作品発表から50年以上経った今も、その情熱と感動は色褪せることがない。
本作に登場する多くのキャラクターは、実在した歴史上の人物である。たとえば、フランス王妃のマリー・アントワネットは、国家反逆罪により処刑された実在の人物であり、原作でもその最期が克明に描かれている。
そこで今回は、ほかにもいる『ベルサイユのばら』に登場する実在のキャラクターと、彼らの辿ったその後の運命について紹介していこう。
『ベルサイユのばら』に登場するポリニャック夫人は、マリー・アントワネットの寵愛を受けた貴婦人であり、作中では贅沢三昧を極める悪役として描かれている。実は実子であったロザリーの育ての母親を馬車で轢き殺すなど、作中でもインパクトをもたらす悪女だ。しかし、史実のポリニャック夫人はどのような人物であったのか。
ポリニャック夫人(ヨランド・マルティーヌ・ガブリエル・ド・ポラストロン)は1749年に生まれ、ヴェルサイユ宮殿でアントワネットの親しい友人となった。彼女が王妃から寵愛を受け、一族みな宮廷での高い地位を確立したのは漫画と同じである。そのため、フランス革命が勃発すると国民の怒りの対象となり、1789年にフランスを脱出、スイスに亡命している。
その後、ポリニャック夫人は1793年にオーストリアのウィーンで病没。アントワネットが処刑されてからわずか数カ月後のことである。一説には、フランス革命による恐怖やストレスが健康を害したとも伝えられている。
第1位:『りぼん』作品で衝撃的だった主要キャラの「悲劇の死」水沢めぐみ『姫ちゃんのリボン』や一条ゆかり『砂の城』にも…(2025年5月18日公開記事)
今年で創刊70周年を迎える少女向け漫画雑誌『りぼん』(集英社)。多くの少女たちを楽しませてきた『りぼん』は、今も昔もメルヘンチックで可愛らしい雰囲気の作品が多い。
とくに「りぼん黄金期」と呼ばれる90年代は、大きな瞳をウルウルさせたヒロインが、紆余曲折ありながらも、最終的に好きな男性と結ばれる幸せな展開が多かった。
しかし、ときに『りぼん』では、主人公やその仲間たちが命を落とすといった衝撃展開も見られた。突然訪れた不幸な展開に驚かされ、悲しみに暮れた読者もいただろう。
今回は、そんな主要人物の「悲劇の死」が描かれた『りぼん』作品をいくつか紹介したい。
1990年8月号から94年1月号まで連載された、水沢めぐみ氏の『姫ちゃんのリボン』。
本作の主人公は、元気いっぱいの中学一年生の野々原姫子だ。ある日姫子は、魔法の国から来た自分と瓜二つの王女・エリカに"1時間だけほかの人に変身できる"という「魔法のリボン」をもらう。
不思議なリボンの力を使いながら、恋愛や友情にも奮闘し、日々成長していく姫子。ドタバタ展開やファンタジーが交差した本作は全体的に明るくコミカルなタッチで描かれているのだが、実は作中、姫子はまさかの死を遂げている。
これら3つの記事に共通するのは、メルヘンチックでキラキラとしたイメージを持たれがちな少女漫画に隠された、意外な深みやインパクトのある要素を掘り下げている点である。『りぼん』作品での主要キャラクターの死、『ベルサイユのばら』における史実に基づいた登場人物たちの悲劇的な最期、そしてネットミーム化したセリフの意外な背景。これらはいずれも、少女漫画の世界が持つ奥深さと多面性を物語っている。
いずれも、単なるラブストーリーだけではない少女漫画の魅力が詰まった人気記事ばかりである。これらの記事を通じて、改めて少女漫画の豊かな表現力や物語の力に触れてみてはいかがだろうか。


