『仮面ライダースナック』だけじゃない! 歴代『仮面ライダー』ファンが熱狂した「関連グッズ」『オーズドライバー』に『オーメダル』、『ゴチゾウ』も…の画像
『仮面ライダーOOO 10th Anniversary 変身ベルト DXオーズドライバー』(プレミアムバンダイ)(C)石森プロ・東映

 昭和の時代から現代まで愛され続ける国民的ヒーロー『仮面ライダー』。その派手なアクションと哀愁漂うヒーロー観は老若男女を魅了し、ときに「社会現象」と呼べるほどの盛況を見せてきた。

 たとえば、1971年にカルビー製菓(現・カルビー)から販売されたスナック菓子「仮面ライダースナック」がその代表例だ。おまけとして付いてくる「仮面ライダーカード」は全国の子どもたちを熱狂させ、全盛期には1日に100万袋も消費されるほどの大ヒット商品となった。読者の中にも、当時、夢中になってカードを集めた思い出がある人も少なくないだろう。

 爆発的なヒットを記録した『仮面ライダー』のグッズは、昭和だけでなく平成や令和の時代にもあった。そこで今回は、数ある『仮面ライダー』の関連商品の中でも、とくに人気を博したグッズを厳選して紹介していこう。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

 

■イマジンの歌声がオリコン2位を記録『仮面ライダー電王』「Climax Jump DEN-LINER form」

 2007年から2008年にかけて放送された『仮面ライダー電王』は、当時から人気が高く、20年近く経った今も根強いファンが多い。

 当然、変身ベルトをはじめとする関連グッズも多く発売されたが、その中でも特に注目を集めたのが、第40話から使われた2代目オープニングテーマ『Climax Jump DEN-LINER form』だ。

 『電王』の初代オープニングは、歌手グループのAAAが歌う『Climax Jump』であり、この楽曲はそのアレンジ版にあたる。最大の特徴は、怪人でありながら主人公・野上良太郎に協力する4人の「イマジン」を演じる声優たちが歌唱している点だ。

 モモタロス(関俊彦さん)、ウラタロス(遊佐浩二さん)、キンタロス(てらそままさきさん)、リュウタロス(鈴村健一さん)がそれぞれの個性を発揮しながら歌い上げるこの楽曲に、当時の『電王』ファンは大興奮。「イマジン」たちの口癖や性格を反映し、歌詞が一部変わっているのもニクい演出だった。

 そして、2007年12月には『Climax Jump DEN-LINER form』のシングルCDが発売。オリコンチャートでは、デイリー・ウィークリー共に初登場2位を記録する大ヒットとなった。「平成仮面ライダー」シリーズ屈指の人気作である『電王』は、当時からヒットメーカーだったのだ。

■現実世界の“メダル争奪戦”のほうが過酷? 『仮面ライダーオーズ/OOO』「オーズドライバー」&「オーメダル」

 2010年から放送された『仮面ライダーオーズ/OOO』は、主人公・火野映司が変身する仮面ライダーオーズが、人間の欲望から生まれた「オーメダル」を巡る戦いに重きを置いた作品だ。

 人間を守るオーズと怪人・グリードがオーメダルを奪い合う“メダル争奪戦”は、めまぐるしく情勢が変化し続けるスリリングな展開で、多くの子どもたちを魅了した。

 だが、この“メダル争奪戦”はフィクションで終わらず、現実世界でも巻き起こることとなる。番組の人気もあってオーズの変身グッズ玩具は飛ぶように売れ、「変身ベルト DXオーズドライバー」は70万個以上、「オーメダル」に至っては、累計3000万枚以上という驚異的な販売数を記録。関連グッズの総売上はなんと299億円という、とてつもないスケールである。

 とくに「オーメダル」はあまりの売れ行きから全国的に品薄状態が続き、欲しいメダルがなかなか手に入らない人が続出。新作メダルの発売日には朝早くから店先に並んだり、購入制限が設けられるなど、まさに“争奪戦”と呼ぶにふさわしい状況だった。

 また、当時稼働していたアーケードゲーム『仮面ライダーバトル ガンバライド』との連動要素も需要を加速させた要因だろう。この“メダル争奪戦”は『オーズ』が終了したあとも、しばらく続くこととなった。

 奇しくも本作は、「人間の欲望」をテーマとしたストーリーだ。現実でも人々の欲望を刺激し、社会現象を巻き起こしたことは、非常に面白い出来事であったといえるだろう。

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