『ドラクエ1&2』リメイクの「2回目のスタッフロール」って何!? 過去のリメイク作でもっとも驚いた追加シナリオを振り返るの画像
スクウェア・エニックス『ドラゴンクエストI&II』公式サイトより (C)ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX (C)SUGIYAMA KOBO (P)SUGIYAMA KOBO

 2025年10月30日にいよいよ発売となったHD-2D版『ドラゴンクエストI&II』について、スクウェア・エニックスは動画・生配信・画像投稿に関するガイドラインを公開。物語に関わる部分についての、「『ドラゴンクエストII』の2回目のスタッフロール後のプレイの模様は2025年11月29日まで生配信、動画・画像の投稿をお控えください」という文言がファンの間で注目を集めている。

 ファミリーコンピュータ用に発売された『ドラゴンクエスト』『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』をHD-2Dグラフィックによる表現でリメイクした同作。ソロプレイだった『ドラクエI』では敵キャラがパーティを組み、『ドラクエII』では新たな仲間キャラとして「サマルトリアの王女」が登場するなど、これまで発表されてきた追加要素が大きな話題を集めてきた。

 『ドラクエ2』のオリジナル版ではクリア時のスタッフロールは1度だけであり、今回のガイドラインに書かれた「2回目のスタッフロール」が何を指すのか、どのような仕掛けが用意されているのか、急いでクリアしようと準備していた人も少なくないだろう。

※本記事には作品の内容を含みます

■報われないラスボスを救う追加要素に興奮!『ドラクエIV』のピサロとロザリーの物語

 これまでの『ドラクエ』シリーズでも、オリジナル版にはなかった驚きの追加要素が用意されたリメイク作品があった。とくに新たな物語が描かれてファンを驚かせた作品といえば『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』は外せない。

 同作は章立てのストーリーで構成されたタイトルであり、第1章は王宮の戦士・ライアンが主人公。第2章はサントハイムの姫と2人の使い。第3章は町の武器屋バイト・トルネコが主人公で、第4章は踊り子・マーニャと占い師・ミネアの姉妹を主人公とした冒険が描かれる。

 それぞれの物語の中で世界を覆う危機が示唆されており、第5章の主人公・勇者のもとに各章の登場人物たちが集まってくるという展開だった。

 ラスボス・デスピサロを倒すことでゲームはクリアとなるが、2001年に発売されたプレイステーション版では、クリア後に「第6章」が用意されており、デスピサロことピサロを仲間にできるようになった。そしてエルフの娘である恋人・ロザリーとの物語が描かれ、多くのプレイヤーを驚かせた。

 ピサロはロザリーを人間から保護しており、互いに惹かれ合い恋人となっていた。ロザリーの流す「ルビーの涙」が高価なアイテムらしく、よからぬ連中に狙われていたところを匿っていたのだ。

 ピサロといえば、勇者の育った村を滅ぼすなど、決して許される人物ではない。しかし、その彼が愛するロザリーが人間に誘拐されて殺されてしまうシーンには同情してしまう。怒りに震えたピサロは人間を根絶やしにすることを誓い、「進化の秘宝」を自らに使って異形の姿となってロザリーの記憶も失ったまま主人公たちに倒されてしまう。

 このように、ラスボスに意外な背景があったのが『ドラクエ4』の物語だが、リメイク版では本編クリア後に追加される第6章を進めて、“なぞのダンジョン”の奥にいるエッグラ&チキーラを倒すことでピサロを仲間にすることができるのだ。

 まずは「せかいじゅの花」を手に入れてロザリーの墓に赴くと、なんとロザリーが復活。彼女は暴走するピサロを止めようと勇者一行に同行する。そして、ピサロの元へ行くとロザリーが前へ出て、2人の出会いを忘れてしまったことを嘆いて涙を流し、その「ルビーの涙」が進化の秘宝を打ち消していく。

 元の姿へ戻ったピサロは記憶を取り戻し、自身とロザリーを救ってくれた勇者に恩義を感じ、真の黒幕を倒すことを決意するのだ。

 この黒幕というのが、デスパレスの玉座に居座る部下の「エビルプリースト」。エビルプリーストを倒しにいくと、人間を操ってロザリーを殺したのも自分であることを告白する。もはやとんでもない悪党だが、コイツを倒すことで真のエンディングが描かれる。天空城ではマスタードラゴンがピサロを認めているシーンが入るのも感慨深い。

 ピサロがパーティに加入している間、いろいろな場所で会話を楽しむことができるのだが、デスピサロ時代のことを反省する気はゼロだった。

 また、彼には「まかいシリーズ」などの専用装備もあり、「ジゴスパーク」や「マダンテ」といった強力な攻撃手段もある。使い勝手がよくて、おまけにビジュアルもよいピサロ。ただ、父親が消えてしまったアリーナや幼なじみを殺された過去を持つ勇者あたりのことを考えると、ちょっと複雑な気持ちになる。

 リメイク版での追加要素はゲームの楽しみの一つ。今回振り返った『ドラクエ4』のように、クリア後にお楽しみ要素として、追加の物語が描かれることは多い。HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』に用意された「2回目のスタッフロール」とはどのようなものに関するものなのか。ガイドラインに従ってクリアをして、ぜひ自分の目で確かめたいところだ。

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