鼻がない、最多の死亡回数…ヤムチャを超える? 『ドラゴンボール』思えば不遇すぎた「クリリンに降りかかった試練」の画像
DVD『ドラゴンボール改』第9巻(Happinet(SB)(D))(C)バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 鳥山明さんの『ドラゴンボール』は、言わずと知れた少年漫画の金字塔だ。そんな『ドラゴンボール』での不運な主要キャラといえば、実力がありながらも天下一武道会などで負け続けたヤムチャを思い浮かべる読者も多いだろう。

 しかし、物語を読み返してみると、主人公・孫悟空の親友でもあるクリリンも、また波瀾万丈な人生を送っている。幼い頃から悟空と一緒に修行を積み、何度も地球の危機を救ってきたクリリン。最終的には人造人間18号と結ばれ、幸せな家庭を築くが、その道のりは決して平坦なものではなかった。

 ここでは物語を盛り上げるうえで欠かせなかった、クリリンの受難の歴史を振り返ってみよう。

 

※本記事には作品の内容を含みます

 

■初めての天下一武道会…対戦相手は誰もが避けたいバクテリアン&鼻がないことも判明

 まずは、クリリンの幼少期の受難から見ていこう。悟空とともに、亀仙人こと武天老師のもとで厳しい修行を積んだクリリン。その成果を発揮するために挑んだ初めての天下一武道会で、彼が戦うことになったのは強烈な臭いを放つバクテリアンだった。

 バクテリアンは怪力の持ち主でありながら、その最強の武器は“生まれてから一度も入浴したことがない”という恐ろしい体臭や口臭にある。

 正々堂々と戦おうとするクリリンに対し、バクテリアンは強烈な口臭や、股間の臭い、さらにはオナラといった下劣な激臭攻撃でクリリンを一方的に追い詰めていく。

 これらの攻撃には観客や悟空たちですら耐えられず、鼻をつまんで観戦することしかできない。初めての天下一武道会の本選でこのような相手と当たるのは、運が悪いとしか言いようがない。

 こうしてバクテリアンのあまりの悪臭に、あやうくダウンしそうになったクリリン。しかし、悟空に「おまえには鼻がないじゃないかっ!!!」と指摘され、クリリンはこれまでの臭いは気のせいだったことに気づく。

 結局、バクテリアンに勝つことはできたものの、それ以来、クリリンは成長しても鼻はなく、かわいらしいルックスだがイケメンとは言い難いビジュアルとなってしまった。もちろんそれがクリリンのトレードマークであり、魅力でもあるのだが、女性にモテたい願望があるクリリンにとって、それは少々残念だったかもしれない。

■身長も実力もモテっぷりも…悟空には敵わない

 紹介してきた通り、クリリンは悟空とともに切磋琢磨し、成長してきた。しかし、何かにつけて悟空には敵わないのである。

 その1つが、身長だ。少年から青年へと成長した悟空が第23回天下一武道会に登場した際、ブルマや武天老師よりもはるかに背が伸びた凛々しい姿で登場し、仲間たちを驚かせた。

 その後、クリリンも自分で「わたしなどこんなに背がのびちゃって!」とアピールしながら登場するのだが、悟空と比べると明らかに背が低く、彼の成長はかすんでしまうのだ。

 また、このときブルマは「あの孫くんが… けっこう いい男になっちゃったりしてさ」と言っており、ルックスにおいても悟空に軍配が上がっていることが分かる。

 ちなみにクリリンはのちにブルマと悟空の息子・悟飯と宇宙船で長期間過ごすのだが、その際ブルマは平気で下着姿でうろつき、クリリンのことをまったく異性として意識していない様子が描かれている。

 また、クリリンは戦闘力も幼い頃から悟空にはかなわず、天下一武道会で戦った際も悟空に敗れ、年齢を重ねるごとにその実力の差は開くばかりだ。

 これはサイヤ人と地球人という種族の差があるため仕方がないのだが、幼い頃から悟空と一緒に修行してきたことを踏まえると、悟空より勝る要素がもう少しあっても良いのでは……とも思うのだ。

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