鍵はグリードアイランドにある!? 『HUNTER×HUNTER』最大の謎「ゴンの母親は誰だ?」 ジンの意味深描写、つれない反応から読み解く候補キャラとはの画像
『HUNTER×HUNTER キメラアント編 BD-BOX Vol.4』(バップ) (C)POT(冨樫義博)1998年-2011年 (C)VAP・日本テレビ・集英社・マッドハウス

 『HUNTER×HUNTER』は1998年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が開始され、2025年10月現在で単行本は38巻まで刊行されている。

 その長い連載期間の中で、いまだに明かされていない最大の謎のひとつが、物語の主人公であるゴン=フリークスの母親の正体だ。

 ハンター協会の会長だったアイザック=ネテロの話によれば、世界で5本の指に入る念能力者といわれるジン=フリークスと関係を持ったというだけでも、只者ではないと考えられる。

 しかし、現在のところ作中でゴンの母親をにおわせる女性は登場しておらず、生きているのか死んでいるのかも不明だ。

 そこでここでは、作中で語られたゴンの母親にまつわる数少ない情報をもとに、彼女がどのような人物なのかを推察していきたい。

※本記事には作品の内容を含みます。

■ゴンの母親に関する情報は希少?

 作中でゴンの母親について直接的な情報が語られたのは、ハンターになったゴンがくじら島に帰郷したときくらいだろう。

 父親のジンから赤ん坊のゴンを引き取った育ての親であるミトは「両親は交通事故で死んだ」とゴンに告げていた。その後、父親のジンが生きていることに気付いたゴンだったが、それと同時に「母親の方は本当に死んでんだろーなって勝手に納得しちゃって」と親友のキルアに語っている。

 また、ゴンの母親にまつわる最大の手がかりは、ジンが彼のために残しておいた録音テープである。そこには母親についての情報も記録されていたようだが、ゴンは「オレの母親はミトさん!」といってテープを止め、内容を聞こうともしなかった。

 停止した瞬間、テープは念の力によって自動で巻き戻り、上書き録音されてしまったため二度と聞くことはできない。ミトも母親について何も知らないと述べており、もはやジン以外はその正体について知っている者はいないと推察される。

 しかし、ゴンが自ら母親について聞いてこないかぎり、ジンが話すことはないだろう。ただ、前述したようにゴンは母親の情報を知る気がなく、それは今後も変わらないものと考えられる。

■ゴンの母親の生死は?

 そもそもゴンの母親の人物像を考える以前に、彼女の生死自体が不明だ。すでに分かっている情報を精査すると、正直どちらのケースも考えられる。

 父親のジンがゴンの世話を母親に託さず、いとこのミトに頼んだことを踏まえると、すでに死んでいる可能性もある。ゴンが母親の情報を知ろうとしないのも、彼が直感的にそう悟っているからかもしれない。

 一方、ゴンの母親が生きている根拠として挙げられるのは、ジンのおばあさんがゴンの母親について聞いたとき、ジンが「別れた」とだけ答えたことだ。もし母親がこの世にいないのであれば、ジンならストレートに「死んだ」と答えそうなものだ。


 ジンが、親族でもあるミトたちにウソをつく必要性は感じられないし、母親が死んでいることを伝えた方が当時の状況を理解してもらいやすいはず。

 とはいえ、どちらも確実な情報ではなく、母親の生死を結論づけるのは難しい。

 ただし、ひとつだけヒントになりそうなのが、ジンが残した録音テープの中で、ジンが母親の話を切り出すまでに無言の時間がしばらくあった。それから「あ……一ついい忘れたぜ」と言いにくそうに母親について切り出していた。

 このときのジンの歯切れの悪さから察するに、母親についてゴンに伝えづらい「何か」の事情があるのかもしれない。

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