死してなお大きな存在感…『鬼滅の刃』蟲柱・胡蝶しのぶの生き方を変えた「元花柱・胡蝶カナエ」の真実の画像
「一番くじ 鬼滅の刃 ~思い出の蝶屋敷~」(A賞 胡蝶しのぶ&栗花落カナヲ フィギュア)©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 7月18日に公開された、吾峠呼世晴氏原作による『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』。日本を含む全世界における興行収入が948億円を突破し、2025年に公開された全ての映画で世界興収第5位と歴史的な大ヒットを飛ばしている。

 同作では、三部作で鬼の根城である無限城に落ちた鬼殺隊士たちの激しい戦いが描かれる。第一章ではおもに蟲柱・胡蝶しのぶVS上弦の弐・童磨、我妻善逸VS新しい上弦の陸・獪岳、主人公・竈門炭治郎&水柱・冨岡義勇VS上弦の参・猗窩座の3つの対決が中心となる。中でも、特に大きな衝撃を残したのが、胡蝶しのぶの壮絶な戦いと彼女の生きざまだろう。

 彼女がこの戦いに至るまでの心には、常に姉であり元花柱・胡蝶カナエの存在があった。今回は、改めてカナエがどんな人だったのか、そのパーソナルな面を振り返ることでしのぶの心に迫りたい。

※本記事には作品の核心部分の内容を含みます

 

■心優しき花柱・胡蝶カナエはどんな人物だった?

 花の呼吸の使い手であったカナエは、作中ではすでに故人である。しのぶが14歳の時、上弦の鬼と遭遇し、享年17歳で殉職した。

 外見はしのぶ同様に穏やかでたおやかであり、一目見ただけでも2人が姉妹であることは明白だ。しのぶが常時着用している蝶の羽のような羽織と、継子である栗花落カナヲのつけている髪飾りはカナエの形見であり、作中に登場していなくても、彼女の存在の大きさは随所から十分に感じられる。

 その過去はほかの鬼殺隊士同様、悲惨なものであった。

 両親と姉妹の4人で幸せに暮らしていたところを鬼に襲われ、両親を失ってしまう。間一髪のところを現岩柱・悲鳴嶼行冥に救われたことをきっかけに、“自分たちと同じ思いをする人を少しでも減らしたい”と、姉妹で鬼殺隊入りを望んだ。悲鳴嶼に断られても彼女たちは食い下がり、ついに姉妹で鬼殺隊入りを果たしたといういきさつがある。

 この詳細については、小説『鬼滅の刃 片羽の蝶』に記されているが、彼女らが別々の育手の下で修業を積み、最終選別で再会したという経緯から、ずっと姉妹一緒でいられたわけではないようだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3